愛のない結婚２

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NJ side









「ただいま」









まだ昼間だというのに家に帰れば電気が消されている









「Aさん？」









名前を呼んでも来ない彼女を探してみれば寝室のベッドの上に気持ちよさそうに眠っていた






彼女の眠った顔は随分と赤く腫れていてまるで泣いた後のよう















「Aさんも僕の前じゃ泣いてくれないんですね」









寝ている彼女に嫌味っぽく言えば寝返りを打つ彼女










僕はきっと誰にも頼ってもらえない





そう思った









別に泣いて欲しいわけでもないけど











ただ頼って欲しかった


















「すき」








寝言が聞こえた






誰かに向けたその言葉は僕を酷く傷つける














「好きな人いたのに僕のことばかり気にして平気な顔してたんですか？」




「んーん」









寝ていて会話なんて成立しないのに返ってくる返事











「なむじゅんさんがすきなの」



















はっきり聞こえた言葉に僕は黙ることしかできなかった

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