殺人鬼と現代っ子

殺人鬼 ページ1

プツッと、急にスマホが消える

｢あー、充電切れるとか、、、｣

一人でぼそっとそんなことをつぶやき、鞄の中をガサガサと漁る

あった、モバイルバッテリー！

充電を始めるものの、つくまでは暇だ

仕方なくマフラーを巻き直し、ポケットに手を突っ込む

スマホに集中して気が付かなかったが、そのスマホがない今、とんでもなく寒いことを再認識する

｢っ、、、さっむ｣

と、雪の中をサクサクと歩く音がする

いいよねー、雪を踏む音

なんでかわかんないけど、いい音だと思う

暇なので、足で雪に絵を書く

すると、足音が止み、目の前にスニーカーが映った

顔を上げる

｢こんなところにいると、殺されちゃうよ？｣

笑い出しそうな声とともに、モンスターが何かをを突き出す

私は反射的に目をつむった

が、何も起きない

恐る恐る目を開けると、目の前にナイフがあった

ピタリと止まっている

｢え、えっと、、、？｣

思考が追いつかないため、逃げようという思考すらなかった

｢んー、、、君よく見たら可愛いから、生かしといてあげる！｣

よくわからない理由で生かされる宣言される私

｢そ、そうですか、、、｣

そういって私は立ち去ろうとするも、手をガシッと掴まれ振り返る

｢誰が帰っていいって言ったの？｣

だれ？

｢、、、逆に帰っちゃだめなんですか、、、？｣

よくわからない質問をする

普通に考えれば、帰ったらいけない理由なんてない

｢だめに決まってんじゃん。うちに来ないと｣

その当たり前を当たり前に否定するその人

｢あ、逃げようとしたら殺すからね？｣

まるで子供のおふざけのように口に出すが、しっかりとナイフを首に突きつける

そのとき、やっと私は自分のおかれた状況を理解した

さっき、殺されかけて、可愛いからって理由で生かされて、そのまま誘拐されそうになってる

今更になって震えが来る

｢どうしたの？なんにも怖くないよ？｣

と、おちゃらけた様子で嗤うその人は、本当は私の震えてる理由をわかってる

わかってて、そう言ってる

これからが、恐ろしい

いつか見たニュースが思い出される

生きたままなぶられて殺された女子高生

私もああなるのかも知れない、、、

｢ああ、、、泣いちゃった、、、。よしよし、、、大丈夫だよー、、、｣

私を抱きしめて、頭を撫でる殺人鬼



ーー僕がしっかり面倒見てあげるから

LOVEへの憧れ→

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