9 ページ9
教室に傑さんと僕が入ってきた時に見えた五条悟様は、分かりやすく顔を顰めていた。
うげっ、とでもいいそうな表情だった。
硝「おかえりー…。A大丈夫?コイツに何もされてない?」
傑「失礼だな」
教室に入った傑さんと僕に声をかけたのは家入様だった。
僕が家入様の言葉に応えようと口を開いた瞬間、ピリリリリリと無機質な電子音が教室に響いた。
音の原因は僕が持ってきたバッグからだった。
傑「もしかして電話かな?」
『はい…すみません、失礼します。』
バッグから素早く携帯を取り出して一旦お辞儀をしてから教室を出た。
廊下に出て直ぐに通話を開始するボタンを押した。
〔おそい!!いつも早く出ろといってるだろ!!〕
『すみません』
〔なんでお前はこういう所で要領が悪いんだ!?〕
『すみません』
〔……ったく。すみませんばっかり言いやがって気持ちの悪い…取り敢えず謝っとけばとか思ってるのだろう!??!〕
『……すみません』
電話に出た途端耳を劈くように怒号を上げる家の人に精一杯謝った。
どうやら今は虫の居所が悪いみたい。
〔ッチ…はぁ〜…どうだった。〕
『……どうだった…とは…』
〔そんな事も察せないのか?五条悟様の事だよ〕
電話越しに相手がどういい顔をしているのか簡単にわかってしまう。
『…言われた通りに深く頭を下げて挨拶しました。……けれどそれが癇に障ってしまったよう〔なんだと!?!?お前、まさか五条悟様を怒らせたんじゃないだろうな!?〕……すみません』
〔お前の挨拶の仕方があまりにも汚すぎたんだろう!五条悟様よりも頭を下げて五条悟様を敬う気持ちがたりなかったんだろ!!!お前…戻ってきたら覚えとけよ?!この恥知らずが!!土曜に戻ってこい!!〕
耳元でかなりの声量で怒鳴ったと思ったらそのままブチッと通話を切った。
あぁ、どうしよう。五条悟様に気に入られなくちゃいけない…怒らせたら絶対だめ…けど五条悟様は僕を見ただけで顔を顰めるのに……どうすれば……
傑「大丈夫かい?」
急に後ろから声をかけられた。
『傑さん…?はい、何も問題ありませんでした。』
傑「それなら良かった。それと、いきなりだけどこれからグランドで体術の授業があるかる着替えておいた方がいいよ。」
『承知致しました。』
取り敢えず今は様子を見よう。そしてこれからどうすればいいのかちゃんと考えようと思った僕の手は微かに震えていた。
1702人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
終わりの芝生(プロフ) - きゃんでぃべあさん» 夏油くんなら真顔で人の精神余裕で抉ること言ってきそうだなって思ったので……ありがとうございます!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - トサカ頭に悪い奴はいないさん» うわぁ!嬉しい!!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 黒猫静さん» ありがとうございます!神だなんてとんでもない笑頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃべあ(プロフ) - 夏油くんのぶりっ子ちゃんに対しての言葉が面白かったです(笑)ストーリー性めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年1月10日 18時) (レス) id: f7948ae81a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:終わりの芝生 | 作成日時:2020年12月30日 13時