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悟「……んだ、これ。」
自分の口から出た言葉は掠れていて自分でも聞き取りにくかった。
硝「……痣からみて結構前に付けられた物もあれば最近のものもある。」
ハッとしたように説明しだした硝子の言葉に俺も傑も真剣に聞いた。
硝「このお腹の痣は…昨日か一昨日くらいについた痣かな。何かで殴られた感じ。こっちの脇腹は……煙草の痕かな。」
悟「……手は」
硝子はAの手の包帯を取った。
硝「全体的に切り傷が多い。…指の1本1本に針を刺したような痕がたくさんある。掌の傷は酷い。手の甲の傷もみると刃物かなにかで刺して貫通してる。」
掌の傷をなぞる様にAの掌に触れる硝子。
傑「もしかしたら昨日の足も……」
硝「捲るか。悟、制服のボタン留めて。」
悟「ん」
白い肌によく映える痣。
それを隠すようにワイシャツのボタンを留めた。
硝「…これ、多分昨日巻いた包帯だね。全然新しい。」
ボタンを留めながら硝子の話に耳を傾ける。
硝「しっかり固定してる所をみると骨でも折れてるんだと思う。」
悟「そんな状態で俺と戦ったのか。」
硝「いや、多分違う。これぐらいしっかり固定されてたらあんな倒れ方はしないよ。…服を洗いに行って帰って来なかった事になにか関係してるかもね。」
硝子はAのズボンの裾を元に戻し傑が持ってきたタオルケットをAにかけた。
硝「さて、予想を遥かに上回るような怪我を見た訳だけど、どうすんの?」
煙草に火をつけながら言う硝子に顔を顰めながらやめなさいと怒る傑。
悟「取り敢えず起きるのを待つ。んで、混乱はさせたくないからAが何か話してくれるまでなにも見なかった事にする。」
傑「いつの間にA呼びになったんだい?」
悟「うるせぇ。……けどあまりにも怪我とか様子が悪化してきたら無理にでも問い詰める。」
硝子「らしくもなく随分ご執心だね?」
悟「あぁ。なんでAがあんな変な態度なのか大体予想着いた。」
もしかしなくても家柄だろう。
煙草や、棒で殴られたようなあと。家庭内暴力しか思いつかない。
しかもAの苗字は五十嵐。ついさっき思い出したけど五十嵐家は五条家に仕えてる家系だからな。
傑「ま、Aって悟の好みドンピシャだからね。あの堅苦しい敬語無くなったらもう執心なんてもんじゃなくなるんじゃないの?」
からかうように言ってきた傑にそうかもな、とだけ返しておいた。
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終わりの芝生(プロフ) - きゃんでぃべあさん» 夏油くんなら真顔で人の精神余裕で抉ること言ってきそうだなって思ったので……ありがとうございます!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - トサカ頭に悪い奴はいないさん» うわぁ!嬉しい!!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 黒猫静さん» ありがとうございます!神だなんてとんでもない笑頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃべあ(プロフ) - 夏油くんのぶりっ子ちゃんに対しての言葉が面白かったです(笑)ストーリー性めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年1月10日 18時) (レス) id: f7948ae81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:終わりの芝生 | 作成日時:2020年12月30日 13時