episode.21 ページ22
他の客の声がよく聞こえるようになった気がする。
いや私達の席の長い沈黙が原因だろうか。
なぜらんらんがここまで怒っているのわからない。
いやもしかしたら怒っていないのかもしれないけれど。
時間としては数十秒ほどなのだろうが感覚的には3分間くらいに感じた静かな空間は彼のため息によって終止符を打った。
｢……Aちゃんが決めたことだから俺がどうこう言う資格はないけどさ、もし俺がトントンの立場になったら悲しいと思うな。｣
彼はとても苦い顔をしながら言う。
悲しい、とはどういうことなのだろうか。
でもさっきまでの怖いらんらんを見た私にそのことを聞く勇気なんて到底なかった。
私がどう答えればいいか迷っているとらんらんは自身の腕時計を見ながら
｢とりあえず今日はこのあと予定入っちゃってるから解散しようか。｣
と時間を惜しむような顔をして席を立ち上がる。
その言動は私からしてみれば助け舟でしかなく
彼の予定に感謝の気持ちしかなかったのは秘密だ。
｢今日は相談に乗ってくれてありがとう。｣
そう伝えるとらんらんはいつものニッコリとした笑顔に変えて二言。
｢まぁ大した受け答えできなかったけどね。次は朗報を期待してるから！！｣
……最後の方を強調して去っていった彼にとっての朗報に関しては深く考えないようにしよう。
ほぼ毎日通っている自宅の最寄り駅に着き一息つく。
今日の第一の印象と言えばらんらんが絶対怒らせてはいけないタイプであることだろう。
それはさておき結局私はトントンくんにどう接していけば良いのだろうか。
私が第三者であるのであれば普通に接すればいいと言うと思うがそう簡単にはいけない。
実際ここ数週間トントンくんとは連絡を取っていない。
まぁ別に用事がないなら当たり前のことなのだがなんだか意識してしまいどうにも気にしてしまう。
彼もそんな風に想ってくれてたらいいのにな
なんてどこの少女漫画のヒロインだ、とでもツッコミを入れられそうなセリフを頭に思い浮かべる。控えめに言ってクサすぎた。
あぁでも大先生なら普通に言えてしまいそうだなぁ。
そういえば大先生で思い出したがあの突っかかってきた女とも何も進展がない、というのも気になっている。
こっちは悪い方の意味でなのだが。
まぁこのまま何もないまま終わればなんともないのだから気にするまでもないだろう。
とりあえず私はこれがフラグにならないことを祈ろう。
終わり
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名無し(プロフ) - みにょんさん» コメントでのご報告ありがとうございます。ちゃんと調べてからやるべきでした、すみません。次の題名が決まり次第すぐに変更させていただきます……！これからも短編集共々よろしくお願いいたします!! (2017年3月31日 14時) (
レス) id: 85c42c6600 (このIDを非表示/違反報告)
みにょん(プロフ) - 初コメ失礼します。他の作者さんの作品とタイトルが同じなので、変更なさった方が良いかと。因みに、そちらもwrwrd！に関する作品です。最後に…短編集から楽しませていただいてます!いつもありがとうございます！ (2017年3月31日 11時) (携帯から) (レス) id: 6f670b6b03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2017年3月26日 18時
