episode.11 ページ12
飲み始めてだいたい3時間ほど経った。
みんな程良く酔いがまわりそろそろ解散しようかという雰囲気を出している。
ただこの男を除いては……
｢Aちゃん手止まってるよ〜｣
私の腕に抱き着くような形で寄りかかりながら酒を勧めてくるらんらん。
飲み始めた時の態度と比べると結構酔っていることが目に見えてわかる。
恋愛経験０の私にとっては異性にこんなに近寄られたのは初めてではないか……？
なんてどうでもいいことを考えていると
話を無視されたことに拗ねたのであろう
らんらんがこちらに更に体重をかけてきた。
すぐ横にある顔。
それはだんだん私に近づいてきている。
｢えっ、らんらん！？｣
私が焦って大声を出す。
至近距離にいるらんらんはニヤリと口角を上げたと思ったら
急にパンッッ!!!とらんらんの頭上からいい音がした。
サッと目をそらすとそこにはメニュー表をらんらんの頭に振りかざしたであろうトントンくんの姿があった。
｢いい加減にしような……？｣
あくまで笑っていうトントンくんの言葉はまるで氷のように冷たい。
一瞬の沈黙が訪れたがそれを察した大先生が急いで声を上げる。
｢明日も仕事やしお開きにしよか！｣
｢大先生ゴチになりま〜す。｣
らんらんがそういって上着を羽織り
しっかりとした足取りで外へと出ていく。
私も奢ってもらおう。
そう思いそそくさと準備を終わらせる。
大先生の方を見ると顔を歪めながら財布の中身を確認していた。
きっとなんやかんやいい人だから払ってくれるだろう。
外へ出るとらんらんの姿は見当たらなかった。
きっと先に帰ったんだろう。
後ろからトントンくんと大先生がお店から出てきた。
そこから3人で一緒に電車に乗りそれぞれの家の最寄り駅で降りて行く。
｢それじゃあまた飲もな！｣
大先生が先に降りて私とトントンくんの2人になった。
｢今日はひとらんがあんなにくっついてごめんな。｣
真剣な声色でトントンくんは喋る。
｢けど男との距離は｣
トントンくんが顔を近づけてきた。
｢もっと警戒しなあかんよ。｣
さっきのらんらんとの距離よりもさらに近い、
まるでキスしてしまうような距離。
｢わ、私もう降りなきゃ、またねっ｣
私は自分の赤くなった顔を隠すように急ぎ足で歩く。
まさか、まさかこんなに簡単に照れてしまうなんて……！
私もまだまだ若いんだな
なんてふざけたことを考えながら暗い夜道を歩いた。
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名無し(プロフ) - みにょんさん» コメントでのご報告ありがとうございます。ちゃんと調べてからやるべきでした、すみません。次の題名が決まり次第すぐに変更させていただきます……！これからも短編集共々よろしくお願いいたします!! (2017年3月31日 14時) (
レス) id: 85c42c6600 (このIDを非表示/違反報告)
みにょん(プロフ) - 初コメ失礼します。他の作者さんの作品とタイトルが同じなので、変更なさった方が良いかと。因みに、そちらもwrwrd！に関する作品です。最後に…短編集から楽しませていただいてます!いつもありがとうございます！ (2017年3月31日 11時) (携帯から) (レス) id: 6f670b6b03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2017年3月26日 18時
