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前線、中盤、ゴール前…
あちらこちらを駆け回りながら孤峰はチームメイト達の焦りを感じ取った。
“伝説”とよばれ、チームの精神的支柱となり、今回も早々にエースストライカー静波のシュートを止めた円堂。
彼の存在は計り知れないほど大きなものだった。
「(いつもより位置取りがずれてる…)
宮津は右に二歩、陰田は後ろに一歩、藤見は左に三歩！
全員位置取りを確認しろ！！」
並走するチームメイトからパスを受けると、彼女は中間から一気に加速した。
「攻撃陣系、私と静波のツートップで攻めるぞ！」
孤峰がそう叫ぶとディフェンス陣、オフェンス陣がガラリと陣形を変え、オフェンス陣の殆どが敵陣に切り込んだ。
孤峰の指示を中心にパスを回しに回す。
ゴール直前でボールが静波と孤峰の元に回って来ようとした時、利根川のパスカットが入ろうとした。
「(一秒遅い、カットに入られる…！)」
二人技を打つ体制でパスを受けようとしていた孤峰がカットしようとした利根川の選手の前へ飛び出した。
「渡すものかっ！
静波、シュートチェインだ！“君主の剣”」
「…“波動弾”ッ！」
先程よりも威力が増したとてつもなく強力なシュートが円堂を襲う。
「風神・雷神！」
しかし、またしても円堂は止めた。
彼らの焦りは最高潮に達した。
＿＿＿＿
「宮津、静波にパスだ！」
「…っ！」
「戸惑うな、通る！」
「貰った！」
＿＿＿＿＿
「陰田、陣形Ａだ、そっちじゃない！！」
「こっちの方が速い！」
「今だ！中央が空いたぞ！」
＿＿＿＿
焦りにより冷静さをなくした才秀院イレブン。
必殺タクティクスをも破られ、司令塔孤峰の指示が頭に入らなくなった彼らの連携はどんどんと崩れていく。
試合終了を伝えるホイッスルが鳴るころには点差は開き、２対０で才秀院学園が敗北した。
彼らにとって今年初めての敗北だった。
「…敗者復活戦
今年から導入された制度だ。
勝ち抜きではなく勝ち点が高い二チームが復活権を得る。
次はそこだ。
気を引き締めて行くぞ。」
いつもの様に孤峰が声をかけ、返事を待たぬまま皆に背を向け歩き出す。
しかし、いつもとは違い今日はその背に声がかかった。
「何が気を引き締めて、だ…！
俺たちにさんざん指示やら注文やら付けておいて自分は何かしたのかよ」
一人の部員が、恨めしげにそう言ったのだ。
それでも振り返ることなく歩いて行く彼女。
その肩は微かに震えていた。
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こころ(プロフ) - お気に入り登録しました。続きも頑張ってください (2019年1月7日 2時) (
レス) id: 9d28606b1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ(プロフ) - 青い闇の力さん» はまっていただけたなんてとっても嬉しいです！ありがとうございます。頑張りますね！ (2018年12月25日 22時) (レス) id: 57a3287d4c (このIDを非表示/違反報告)
青い闇の力 - はじめまして、見たとたんに、はまりました。!これからも応援しています。 (2018年12月25日 18時) (レス) id: 72678932a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！ゆっくりではありますが頑張って更新していきますね！ (2018年12月18日 21時) (レス) id: 57a3287d4c (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ステキな作品ですね。これからも頑張ってください。 (2018年12月18日 18時) (レス) id: 87455f21ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきみ | 作成日時：2018年12月12日 7時
