知らない心 ページ9
山田side
後ろから声がして2人して振り向くと、ゆーてぃーの先輩刑事でコンビを組んでいる高木さんが立っていた。
ゆーてぃーの顔がみるみるうちに青ざめていき、焦りすぎて口をパクパクさせているのが面白い。笑
そんなゆーてぃーを放って、高木さんが俺に声をかけてきた。
高「おはよう、山田。疲れてるだろうけど、会議中に居眠りしないようにね。」
山「おはようございます。今日は捜査会議の様子を伊野尾警部補にライブ配信するように頼まれまして・・・」
高「そっか、伊野尾くんは頭が切れる人だからね。山田くんも勉強になると思うよ。」
山「伊野尾警部補と親しいんですか?」
高「親しいというか・・・伊野尾くんが、まだこっちに出勤してた頃はちょくちょく話してたかな。
みんなが気にも留めないようなこともしっかり調べて、事件を解決に導いていたよ。
あの部屋に籠るようになってからは、全然会ってないけどね。。。伊野尾くんによろしく伝えといてよ!」
そう言って、高木さんはゆーてぃーの腕を掴むと、
「刑事としての心得がまだ伝わり切れてなかったみたいだな〜。今まで以上に指導してやらないとな〜」と言いながら、ゆーてぃーを引きずって行った。
俺はそんな様子を見ながら、「俺はゆーてぃーの方が羨ましいよ」とひとりごちた。
岡「以上で、捜査会議は終了だ!みんな、引き続き捜査にあたってくれ!」
岡田警部の挨拶で解散となり、それぞれ仕事に取り掛かる。
俺も通信を切り、伊野尾警部補のところへ向かうため、捜査会議の部屋をあとにした。
このとき、俺は知らなかったんだ。
会議室に残っていた刑事たちが部屋を出ていく俺を見ながら、どんな話をしていたのかを。
伊野尾警部補が、ほかの刑事たちからどう思われていたのかを。
そして、俺自身もどう思われていたのかを。
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作者名:五番地の引きこもり | 作成日時:2020年3月5日 19時