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今日は…泊ってってほしい…… ページ4

伊野尾side

山田に耳元で囁かれて呆気なく反応してしまった俺。。。情けない。。。
その日はそのまま夕方になって、山田が「失礼します。」と言って帰っていったが、気まずさから俺は何も返事ができなかった。





光「いのちゃん、来たよ〜」

伊「光、いらっしゃい。今日の夕飯なに?」

光「今日は鯖の味噌煮だよ〜」


光はほぼ毎日、俺の家に夕飯をつくりに来てくれる、俺と薮の幼なじみ。
俺がこの部屋に引きこもるようになってからは、今まで以上に甲斐甲斐しく世話をしてくれる。笑

光が料理をしながら聞いてきた。


光「今日、来たんでしょ?新しい人」

伊「……うん」

光「どう?上手くやっていけそう?」


言えない・・・初日から罵声を浴びせて追い返そうとしたなんて・・・
俺が黙って俯いていると、光の優しい声が聞こえてきた。


光「……今日は、嫌な態度とっちゃったんでしょ?いのちゃんご機嫌斜めだから、好物つくって機嫌直しといて、って薮から連絡あったから、そうかなって思って。」

伊「…………」

光「薮だって、いのちゃんのこと大切に想ってるんだよ?これ以上、苦しめたいわけじゃないよ?!
  薮の気持ち、もう少し受け入れてあげて?…ね?」

伊「だって・・・なに考えてんのか、わかんないんだもん・・・」


光がそっと俺を抱きしめる。
俺は光に抱きしめられるのが好きだ。光のあたたかさに包まれると、不安も苦しみも解けていくような気がするから。


そのあと2人で夕食を食べ、光は風呂に入りに行った。
その間に、俺は食器を洗う。その後、俺が風呂から出てきたのを見届けて、日付が変わる前に光は帰っていく。
これが俺たちのいつものルーティンだった。


伊「今日は…泊ってってほしい……」


いつも光が帰るくらいの時間になった時、俺はそうお願いした。
光は「いいよ。」と言って、俺をまた抱きしめてくれた。

心が不安で押しつぶされそうな夜は、光に抱きしめてもらいながら眠る。
シングルサイズのベッドだから、少し窮屈だけど…苦笑
光……俺はお前の存在に、本当にたくさん助けられてるよ……ありがとう。


光「おやすみ、いのちゃん」

伊「おやすみ、光」


やぶぅ〜……お前は一体何を考えてるんだ……
どうして……どうしたら……
俺は、山田の近くにいちゃいけない人間なのに……

やるせない思い→←弱点は耳



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作者名:五番地の引きこもり | 作成日時:2020年3月5日 19時

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