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犯行の動機 ページ22

高木side

高「弥生さん、ご主人が若い女の人と会っているのをご存じでしたよね?
  あの事件の日、あなた、その女性が家に来ることをわかっていた。そうですよね?」

弥生が勘づいていたという証拠や根拠はどこにもない。はったりだ。
これで落ちなければ・・・

弥「家にあげるのだけは、どうしても許せなかった・・・」


その言葉を聞いた瞬間、俺は心の中で大きくガッツポーズした。
おちたー!!!
どれも根拠を聞かれると困るから、押しとしては弱くて心配してたけど、何とか上手くいって良かったー!
そんな俺の心のうちとは反対に、弥生は苦しそうに事件のことを告白し始めた。

弥「まだ娘が死んで1年半しか経っていないのに…それも娘と同じくらいの子と付き合うなんて…聞いたときは信じられませんでした。」

中「娘さんと同じ年頃の女性と付き合っているのが憎くて殺したんですか?」

弥「いいえ、きっと主人はその若い女の子に娘の姿を重ねているんじゃないかと思ったら、責めることなんてできませんでした。私たち夫婦は娘を失って絶望し、日々、虚無感に苛まれるようになりました。お互い悲しみと苦しみの中で、相手を思いやる余裕はありませんでした。だから、私には主人を責める権利なんてないんです。」

中「じゃあ、なぜ殺してしまったんですか?」

弥「あの日……主人は余所行きの服を着て、ソワソワしているように見えました。またあの女に会うんだと思ったけど、出かけるなんて聞いてないし変だなと思ってて。そしたら部屋の掃除を始めて…なぜか強い確信がありました。あの女が家に来るって。
娘の仏壇の前をあの女が通るのかと思ったら、カッと頭に血がのぼって…気づいたら主人が血を流して足元に倒れていました。そのあとは、刑事さんが言った通りです。自分のしたことが恐ろしくなって、あの女が疑われるように細工しました。」

弥生は涙ながらに犯行動機と犯行内容を自白した。
英一郎が何の目的で自宅に紗央里を招こうとしていたのかは、今となっては分からない。
しかし、どんな理由であろうとも弥生は、娘と紗央里が同じ家に居るのが許せなかった…と。

中「凶器については?」

弥「それもおっしゃった通り、トロフィーで殴りました。血を拭き取ってカバンに入れてそのまま、買い物に行きました。
家に帰る途中で、近くの川に捨てました。」

事件解決→←取調室



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作者名:五番地の引きこもり | 作成日時:2020年3月5日 19時

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