イノオシェルター (ページ1)

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新米刑事ページ1

山田side

春。年度始まりで環境が変わる人が多いこの季節。俺もその一人。
数年間の交番勤務での地道な努力が報われ、このたび晴れて刑事部捜査一課への異動が決まった。
捜査一課に配属されることは警察官を目指したときからの目標で、今日ついにその夢が叶ったのだ。

山「おはようございます！本日よりこちらに配属になりました、山田涼介です。」

岡「お～、きみが山田くんか。おはよう、待ってたよ！今日からよろしくね」

穏やかに微笑みながら、岡田警部が握手を求めてきた。
その手をとりながら、優しそうな人で良かった～とほっと胸を撫で下ろす。

山「はい。精一杯がんばります！ご指導のほどよろしくお願いします！」

岡「じゃあ、さっそくだけど、この場所に行ってもらえるかな？」

ん？岡田警部が１枚の紙を渡してきた。そこには住所だけが書かれている。

山「あの…、この場所は…？」

岡「この場所で、きみを推薦してくれた薮警視がお待ちだよ」

＊

山「すっ、すごい…ボロいビルなんですけどぉ～。。。」

２階ラブホだし。本当にここで合ってんのか～？
不安に思い、ビルの中へ入るのを躊躇っていると、携帯が鳴った。
Piriririri～♪

山「はい。もしもし、山田です。」

？「そのままビルに入って。地下へ降りて。」

山「えっ？…はい！？あ、あのっ…」

ツーツーツー．．．
なんなのー！！誰なのー！！

こんなところに警視がいるとは思えないけど…とりあえず言われた通り地下への階段を降りていく。
たどり着いた扉の前で足を止めると、ガチャと鍵の開く音が聞こえた。
ゆっくり扉を開けると、ビルの外見からは想像もできない、パソコンだらけの部屋が広がっていた。

薮「いらっしゃい、山田くん。」

山「っ！！」

薮「私がきみを推薦した薮です。」

警視！！俺は慌てて敬礼し、大きな声で挨拶をした。

山「あのっ、本日より捜査一課に配属になりました山田涼介です。精一杯がんばりますので、ご指導のほど宜しくお願い致します！」

薮「よろしくね～」

薮警視は、ふにゃっとした笑顔で俺を迎え入れてくれた。
よかった～、この人も優しそう...

伊「やぶぅ～、大きな声聞こえたけど誰か来たの～」

薮「伊野尾。今日からお前の相棒になる山田くんだ。」

伊「相棒～？」