恋、始まりました『染谷勇次郎』

にじゅーう ページ21

貴「.........」







操「そんなに眉間に皺よせてたら可愛い顔が台無しよ、A」






貴「あ、操おはよー」







操「うん、おはよう」






で、と言葉をこぼして私の前の席に遠慮なく座り、操は私の顔を覗きこんだ







操「何か悩みごと？」






貴「まあね、色々」






操「いいわよ、可愛いAの為なら何でも聞いてあげるわ」






頼もしいけどこの子本当に大丈夫だろうか？








操「Aが心配なのよ！さあ、早く！」









.......私からしたら貴方のほうが心配ですね、はい









まあ今回は操に頼ろう









貴「ねえ、操」





操「なーに？」





チラッと勇次郎を見ると男女の輪の中で笑っていた









やだな








この前まで私にもあんな笑顔見せてくれてたのに......









何で私だけ？





それを聞こうと思ったけどこれは極秘だったや





セーフセーフ









じゃあ質問を変えよう








貴「操」






操「何？」







貴「勇次郎って私のこと嫌いだと思う？」









それを聞くなり操は顔を真っ赤にしながら口を押さえていた





なんだろ？




操「Aは、勇次郎のこと好き？」





貴「んー.....恋愛感情としては.....好きなのかなあ？」





操はキャー！と叫び始めた







操「Aもついに恋ね！あ、安心してね、私愛蔵くん担だから」







貴「う....うん？」





操「じゃあ善は急げよ、告白しちゃいなさい」









急ぎすぎだよ






貴「早いよ勇次郎は絶対私のこと好きじゃないのにー」







操「わからないじゃない！それに、勇次郎くんと会話してる回数が一番多いの、Aだと思うわよ？」







......そうなの？






貴「なんか、安心」





操「.....というか、勇次郎くんはアイドルなのよ？いじめとか、そういうの気を付けなさいね？........まあ、Aをいじめる奴は私が捻り潰すけど」






貴「やめなよ怖いなー」





まあ一応肩の荷がおりたし......操にお礼しよ






そう思った私は鞄の中からPOKETZを出して操に渡した






POKETZを見るや否や操の目が輝いていく......






操「も.......貰っていいの....？」




貴「お礼、ね」






操「A愛してるー！！」








家にあった余り物だなんて口が裂けても言えない.......

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