お・ま・け ＜有岡＞ ページ12
「あ〜あ、メイドとかやだぁ」
「分かる〜。どうせだったら男女逆転のほうがよかった！」
「それな！」
男女逆転の意味は知らないけど、なんとなく気になったから、ちょっと盗み聞きしてみた。
「あ、てか、男子が言ってたんだけど、なんか男子が一人だけメイドするらしいよ」
「は、マジで！？じゃー女装すんの？うわ、ウケるわ！」
「いや、うちも最初はそう思ってたんだけど、メイドすんの・・・伊野尾だって〜！」
ハーーーーーーッ！？
「待って、誰かいんの？
「え？」
やべ、バレた！逃げなきゃ！
逃げながら考えた。
伊野ちゃんが女装。伊野ちゃんが女装。伊野ちゃんが、女装・・・。
黙っていたら、女の子みたいな伊野ちゃん。
絶対、阻止しなきゃ！じゃなきゃ、伊野ちゃんが危ない！
どうせ、『伊野ちゃん女装』計画を立てたのは、俺のブラックリストに入ってる、学級委員の裕翔だろう。
俺は、走って裕翔のところまで行った。
「えー、やだよ！伊野ちゃんの女装見たいんだけど！」
「お願い、この通り！」
裕翔め〜、伊野ちゃんの身の危険が分からないのかよ・・・！
「じゃあ、伊野ちゃんのキスをくれたら・・・」
「却下！」
「じゃあやだ〜！」
子供かよ！もう、あれを使うしかない・・・！
「じゃあ、伊野ちゃんの寝顔の写真、あげる」
「あとで送って」
くっそぅ・・・。
あれは、俺だけが持ってる激レア写真だったのに・・・！
「でもなぁ、それだけじゃあんまり面白みがないんだよなぁ」
「むっ、まだ粘るか！」
「だってさぁ・・・」
「しょーがねぇなぁ・・・。俺が女装してやんよ！」
「・・・えー」
「たのんます」
「・・・」
それなのに・・・！
伊野ちゃんを呼ぶ客はだいたい男だし！挙句の果てには襲われる直前だし！
無事、付き合うことが出来たから、ずっと、ずーっと！
俺が、伊野ちゃんのことを守んなきゃね！
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まさかの、おまけが一番、長い話
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作者名：Umizora | 作成日時：2017年8月22日 19時
