おとなりさん３《K.Takechi》

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とりあえず目立つから移動しようって海青がAちゃんの手をとり歩き始めた。




すでにもう目立ってるけど、気休めでも良いからとりあえずAちゃんを隠すようにジャケットを脱いで頭から被せる。




その間も海青の名前を呼びながら泣いているAちゃん。
そんなAちゃんに安心してもらえるように大丈夫って繰り返し言ってあげる海青。



……いつの間に2人は仲良くなったの？
海青がいつも以上に男らしく見えるのは俺の気のせいじゃないよね？






楽屋に入ると海青と手を繋いでるAちゃんを見てびっくりしたように目をを見開いた陣くんと壱馬。


後退りするように2人が場所を移動してくれて、Aちゃんをソファに座るよう促す。




ジャケットを退けたAちゃんと目が合って大丈夫？って聞いたけど大丈夫じゃないことなんて見て分かる。


こんなに泣いて可哀想に…、気づいたら頭を撫でていた。






海青「なにがあったん？」




『あのっ、あのねっ…、』



海青「ゆっくりでえぇから。擦ったらあかんよ、赤なるで？」






そう言ってAちゃんの頬に手を当てて
流れている涙を親指で優しく拭った海青。


その海青の手にふれたAちゃんの両手はすごく震えていて海青が切ない顔をして握り返していた。


しゃくり上げながら泣いているのに何故かそれですら絵になるAちゃん。儚くて非現実的で何かのドラマを見ているみたいだった。






陣「何があったん…？」


「いや、俺も分かんなくて…、」


壱馬「俺今めっちゃテンパってるんですけど…。」


「俺もさっきから意味わかんなくて動悸がすごい、」



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