anemone_ (ページ2)

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今、わたしは何を求めているのだろうか。

『なあ、』

「なに」

『何考えてんの？』

「……ひみつ」

金曜の昼下がり。

今いるのは大好きな彼の家ではなく、

私の家、

でもなく大好きな彼のメンバーの家。

当たり前に身に何もつけてない状態で、

ベッドのうえでぼーっと右手の薬指に着いてる指輪を眺める。

質問してきたのだってこの家の持ち主。

『どうせ中島のことだろ』

「分かってるのに聞いてくるのタチ悪い」

『俺が分かるって分かってるのに考える方がもっとタチ悪い』

「ふふ、なにそれ。」

『そろそろ中島仕事終わるんじゃねーの？』

「あ～、帰らなきゃ。」

時計を見れば愛しの彼氏さまのお仕事が終わる予定時刻よ15分前。

散らばった下着や衣服を身につければ、

ベッドのうえでいつの間にか気持ちよさそうに眠る風磨くんの存在を横目で見て家を出た。

いつからだろう、こんな状況になったのは。

いつからだろう、関係がもつれ始めたのは。

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