歌い手駆け出しの私が伝説とよばれるようになるまで。 一章

61.まふてる師匠の算数教室 ページ31

お昼過ぎ。不穏な空気の立ち込めていたシェアハウスにろんちゃんが帰ってきた。



「ただいまあーー！Aちゃんと今日一緒に勉強する人誰ー？」



その言葉を聞いてとても重要な事を思い出した私達はそれぞれ得意科目を言い合い、今。



「まふてる師匠の算数教室だよー！いえーいっ！」



「い、いえーい……」



驚くべき事にまふてるさんは数学ができるらしい。



「でも絵師さんは大抵数学できるよ？だって比率とか考えるもん。」



と、まふてるさんがいう。



「そ、ソウナンデスカ」



あんな数字の羅列が得意とか尊敬の一言では尽きない。



「……取り敢えず、テストが後１ヶ月に迫る中、君は一次関数までしか知らないのか。微分積分とかlogとか知らない分けだね。」



「はい、何それ状態です。どころか一次方程式解けるかすらわかりません。」



「え、それやばくないですか。」



驚いた顔をされもんが分からないものは仕方ない。



「えー、じゃあ一次方程式からしよう。あ、僕は参考書は使いません。」



「え」



「じゃあまずは簡単な2X＋18＝6から。



昔＜式＞という名のアジトに美少年がさらわれました。」



「び、美少年……！？」



まふてるさんは頷くと一人の美少年(とてもお上手)をノートに描く。



「そのアジトからあなたは美少年を救い出そうと考えました。
よくみると美少年はＸに姿を変えられ他の敵達に合体させられていました。」



なんて恐ろしい。



「しかし、そのアジトには不思議な仕組みが有りました。
なんと＜右辺＞と＜左辺＞に分かれていてその二つの数は一緒でなければ爆発するというのです。
なので美少年を無理やり助けようとすると＜式＞が爆発してしまいます。」



ば、爆発ですと！？
というか話のスケールがおおきくなっていく…。
まふてるさんの描く美少年の上にＸがかかれその前に２の帽子をかぶったおっさんがいる。



美少年の右には＋がかかれ…と、さっきの一次方程式が擬人化していく。



「だけどＸが右か左のどちらかで一人になったら助けだせる。
しかも＋は−に、−は＋にかえさえすれば自由自在に＝の間を動けるんだ。」

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