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龍友side
龍「あかん、遅くなってしもうた…。」
俺がタクシーに乗って家路を急いだのは、日をまたぐ直前の頃だった。
今日はレコーディングが長引いて、なかなか帰れんかった。
最近、自分の納得のいく歌が歌えなくなっている気がする。
どんなに練習しても、どんなに曲を聴き込んでも、
上手くいかんくて、
ボイストレーニングのトレーナーさんにも怒られてばかりやったから、
もう、自分の歌に自信が持てんくなってる。
やっぱり、
涼太の声が聴こえないと、
俺は歌えないんやな…。
今まで、当たり前に感じてた存在は、
実は、当たり前なんかじゃなくて、
いつも、包み込むような声で、
俺を支えてくれた涼太が、
居なくなって初めて、
俺はちっぽけな自分に気がついた。
龍「…ただいま。…あれ、電気着いてる。」
マンションに着いて、家の鍵を開けると、
部屋の明かりは着いたままだった。
龍「涼太ー？起きてんのか？」
もう夜遅いから、てっきり涼太は寝てると思ってた。
玄関で涼太を呼んでみたけど、
返事は無い。
龍「…涼太？」
リビングに行ってみれば、そこにはテーブルに乗せられた料理があった。
涼太…。
料理作って、待ってたんか…。
ラップが被せられて、冷えてしまった料理を見て、
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
視線をずらせば、ソファーに寝転がって、
眠る涼太がいた。
大きな身体を丸めて眠る涼太は、
少しだけ顔をしかめていて、
龍「…ごめんな、涼太。」
涼太の顔にかかる前髪を指で避けてやれば、
涼「…んっ。」
龍「…起こしてしもうたか。涼太、遅くなって、ごめんな…。」
涼「…龍友、君？…おかえり。」
へにゃり、と笑った涼太の顔は少しだけ、
青白くて、
龍「涼太、体調悪いんとちゃう？大丈夫か？」
涼「…うん、ちょっと頭痛くて。龍友君待ってたら、寝ちゃってた。」
龍「そうか…。無理せんといてな。」
今は涼太の歌声を隣で聴くことはできないけど、
今でも、涼太はこうやって、
俺の隣にいてくれる。
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りぃちゃんまん(プロフ) - 更新ありがとうございます(;_;)泣いてしまいました(;_;)SHUULINさんが書く物語、大好きです(;_;) (2018年7月7日 23時) (
レス) id: 135be6bc3b (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - はじめまして！気になって読み始めたのに、気付いたら号泣してました。更新待ってます！ (2018年6月18日 1時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました。続きが気になって仕方がありません。楽しみに待ってます。 (2018年6月16日 23時) (レス) id: 8cae488022 (このIDを非表示/違反報告)
SHUULIN(プロフ) - 数寄れおさん» コメントありがとうございます！これからも「守りたい。」をよろしくお願いします！ (2018年6月14日 9時) (レス) id: bbe2538ee5 (このIDを非表示/違反報告)
SHUULIN(プロフ) - 梨さん» いつもコメントありがとうございます！梨さんにそう言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年6月14日 9時) (レス) id: bbe2538ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHUULIN | 作成日時：2018年1月27日 23時
