【文豪ストレイドッグス】《真実》の弟、《理想》の兄____肆

月下《捌拾玖》 ページ15

泉「……………痛い」

太「悪かったね二人共 秘密にして そうでないと入社試験の審査にならなかったから」

もしかして、

(最後は山？)

(海だ)

(了解)

最初から、全部………

その時、鏡花ちゃんがポツリと呟いた

泉「独斗兄は…………？」

太宰さんが目を見開いた そしてゲンの背中をみる

誰も乗っていない

太「鏡花ちゃん……？独斗君は君を助けに行くと、私は考えていたのだけど………？」

泉「……独斗兄は、白鯨(モビーディック)の方にいた…………」

…………まさ、か…………

そう云えば、最後に独斗さんのところにいたのは………っ

「おい！敦！！」

向こうから国木田さんがすごい勢いで走ってきた

そして僕の肩をつかんでガクガク揺らす

敦「く、くにっ国木田さっ」

国「独斗は！？独斗は何処だ！？答えろ敦！！」



芥「国木田は死 んだ」



芥川が、無表情にそう言った

国木田さんの手は力を無くしてだらんと垂れ下がって、国木田さんは膝をついた

国「……………独斗が、死んだだと……？」

太「芥川君、どういうことだい？」

芥「国木田が言ったのです………僕は裏切り者だよ、だから…殺せ、と………」

鏡花ちゃんの目からハラハラ涙が流れていて、鏡花ちゃんの涙を拭う

そしたら今度は僕の目から流れてきて………

国木田さんも泣いていた




ゲ「……カツト…………イキ、テ、ル」


ゲンがそう言って、白鯨(モビーディック)の残骸へ飛び出していった

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ラッキー文豪名言

死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎

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