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真実《弐拾捌》 ページ1

『貴殿方の足止めを命じられ、此所に参上しました』

そういって笑った僕を見て、兄さんが叫ぶ

国「独斗!お前、家を飛び出したと思えば何故、ポートマフィア等に!」

『僕は、兄さんに教えたかったんだ』

ずっと、そう思ってたよ

まぁ、教えるというより、僕で試したんだ

『何かを追い求めるには、"必ず犠牲が必要なんだって"ね?』

指を噛み血を流すと、僕は手帳を開き、文字を書いた

『血字自現ー鉛銃ー』

頁が真っ黒な銃へ変化したのと同時に、僕は銃口を兄さんに向けた

国「独斗!」

『まぁ、こんな極悪非道な僕にも情はある』

銃口を向けたまま、僕は福沢諭吉に目を向けた

『泉鏡花を、僕は救いにいきたい…中島敦奪還に、僕の同行を許可してもらえないだろうか』

与「なっ…」

銃口を向けながら云う台詞(せりふ)ではないけれど、これは、本当に僕の願いだ

鏡花を救いたい

光あるこの場所に、いてほしい

国「…………お前は変わっていないな」

兄さんがふっと顔をうつむかせてそう言った

優しい、声色だった

ふっと笑うと、兄さんが顔をあげた

探偵社社員も驚くほどの、優しい微笑みを、僕に向けながら、兄さんは言った

国「お前はいつも、誰かを助けるために己を犠牲にするやつだった」

………違う、僕は、そんな大層な人間じゃない

国「今もだ裏切り者である小娘に手を貸せばポートマフィアなら処刑されるようなものだろう」

『………………………』

国「けれど、お前は助けにいくんだな」

『………僕は、これまでに56人もの人を殺してきた』

僕はふっと笑い、兄さんに目を向ける

『そんな、大層な人間じゃない 鏡花を助けるのだって、所詮は自己満足』

『………けどね、鏡花には光の元で生きてほしいんだ』

たとえ、それが自己満足だとしても

真実《弐拾玖》→


今日の文豪名言集

死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎


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きこ(プロフ) - 27位おめでとうございます!凄いですね!尊敬です♪ (2016年7月4日 1時) (レス) id: c334518b24 (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 霰さん» コメントありがとうございます!!更新頑張ります! (2016年7月3日 18時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます…!更新頑張ってください……!! (2016年7月3日 17時) (レス) id: 090d49de5e (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 悠誠さん» ありがとうございます!!頑張ります!コメントもありがとうございます!!!! (2016年7月3日 16時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - この作品凄く面白いです!国木田さん関連作品少ないので凄く嬉しいです!!頑張って下さい! (2016年7月3日 13時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮碧音
作成日時:2016年7月3日 12時

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