五十五色 ページ24
サクヤ・イールウェンの処刑後、ハトバ・リクトーンは、ゼン、白雪、ミツヒデ、木々、リュウを自分の家に招いた
皆、暗い表情で椅子に座った
ハ「…………サクヤは、幸せだったと思うぜ？」
ゼ「……そうだったら良いんだがな」
死んだ者の声など、聞けるはずがない
どんどん表情は暗くなるばかりだ
リ「………サク兄……どうして」
白「…………サクヤさん………」
リュウや白雪は泣き出してしまう
ゼンは白雪の肩を抱き寄せ、リュウの頭を撫でた
リクトーンには、まだ希望があった
サクヤ・イールウェンが生き返るのではなく、"言告鳥"となり、最後の言葉を残すことを
ハ「一言も言わずに逝くなんざ、俺が許さねぇぞ？サクヤ」
リクトーンも知りたかったのだ
処刑台で笑った意味を話そうとしていたことを
『あっはは！リクトーンに許してもらえないなら、俺は死んでも死にきれないよ』
リ「！サク兄！！」
白「あっ！リュウ！！」
思いっきり扉を開けた先、そこにいたのは
優雅に舞う白縹色の鳥
リ「………リェン？」
『んー…残念 俺はリェンじゃない』
サクヤの声が聞こえたのと同時に、白縹色の鳥は淡く輝き始める
思わず目をつむったリュウ達が目を開いたとき見えたのは
薄く透けているサクヤの姿
リ「！サク兄！！！」
『ごめんリュウ あまり、リュウのためにしてあげられなくて』
リュウはサクヤに顔を埋め、泣きながらぶんぶん顔を横に振った
『ゼン、白雪、ミツヒデ、木々………凄く感謝してる どこの誰かもわからない俺と仲良くしてくれたこと……ほんとに嬉しかったんだ』
『白雪、ゼンのこと………よろしくね』
『リクトーンも、俺と仲良くしてくれてありがとう』
ハ「…………なぁ、サクヤ――…」
ハ「あのとき、なんでお前は笑った？何を言おうとしてたんだ？」
全員がサクヤを見る
サクヤは軽く下を見て、ふっと微笑んだ
『……世界はこんなにも鮮やかだったんだね』
『処刑されるとき、ゼン達を見つけた……白雪の髪の色もわかった………これが赤なんだって……世界はたくさんの色で満ち溢れていたんだねって』
『……俺は、人生の２０年分くらい損してたんだなって思ったよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨宮碧音(プロフ) - 七海の狐さん» そう言っていただけて嬉しいです！コメントありがとうございます！！そして、読んでくださってありがとうございます！ (2018年3月18日 12時) (
レス) id: 1d0f2959ec (このIDを非表示/違反報告)
七海の狐(プロフ) - 涙が止まらない…感動しました！素敵な作品をありがとうございます！ (2018年3月18日 9時) (レス) id: 9c69874753 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - Futaさん» そう言っていただけてうれしいです！！！読んでいただきありがとうございました！ (2017年9月11日 0時) (レス) id: 1d0f2959ec (このIDを非表示/違反報告)
Futa - すごく感動しました！涙が止まりません！ (2017年9月10日 14時) (レス) id: 17eb0da85c (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - ミルミラさん» そう言っていただけてうれしいです！！！最後までありがとうございます！！！ (2017年9月2日 18時) (レス) id: 1d0f2959ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨宮碧音
作成日時：2016年11月12日 21時
