↳Lupinus holidaying.2[瀬の瞳] ページ9
「のせヤバすぎ!なっはっははっ!」
「うち悪くないよ絶対!ヨッシーがやる気ないわこれ!」
花芽宅ゲーム大会マリオパーティ部門(?)は大盛り上がりだ。俺の隣に座っているうるはさん曰く、ヨッシーのやる気が無いらしい。
横に並んで座りワイワイプレイしていると、モニターの左上にピコンという音と共に通知が表示される。
「あれ、Aくんのやつ充電無いじゃん」
「あ、これ俺のか、すみ姉充電器もう一個ある?」
「今使ってるのしかないよ」
「ちょっと充電器取ってくる」
言いながら立ち上がる。
コントローラーをすみ姉の部屋に持ち寄ってマリオパーティをしている。
俺が使っていたコントローラーは俺の部屋から持ってきたもので。
自室に戻り充電器を探す。最近Switchも触ってなかったものでこのコントローラーも引っ張り出してきたのだ。
「えーとどこやったっけ…」
ボソッと呟きながらがさごそ部屋を探す。
中々見つからずうろちょろして困っているとノックの音が。はーい、と、返事をする前にガチャリと扉が開いた。
「う、うるはさん!」
さっきもあったな、似たようなこと…
「あぁごめん、返事もらう前に開けちゃった」
「や、大丈夫です、ちょっと散らかってますけど…!」
探すために漁ってたから散らかってるだけなんで!という言葉は飲み込んだ。
「あった?充電器」
きょろきょろしながらうるはさんは言った。
あまり見ないでくれ…
内心狼狽えながら答える。
「見当たらないんですよね、なず姉に借りた方が早いかもです」
「あ、なーんか隠してたりしないの〜?」
うるはさんはそう言いながら屈んでベッドの下をおもむろに覗き込む。
「なんもないですって!」
「なんもないか…」
何も無いはずなのに何故か変な汗をかいてしまった…
年頃の男子のベッドの下を覗くのマジでヤバいっすよ…
よいしょと呟きながら立ち上がり顔を上げた時、うるはさんの動きが止まった。
「……」
「…?どうしました…?」
うるはさんの視線の先を追ってみると俺のPCとモニター。
「…結構やってるの?ゲーム」
真剣な面持ち。じっと視線を外さないまま俺に聞いた。
「ま、まぁ結構…?やってる…と思います…」
…少しの間を置いて、さっきの真剣だった顔とは真反対にニコッと微笑みながら言った。
「戻るか」
「は、はい」
あの一瞬、瞳が揺れた気がした。
なんだったんだろう。
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シュカのみ(プロフ) - ツクヨミさん» コメントありがとうございます! (8月16日 1時) (レス) id: c41f399bec (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ(プロフ) - 次回も楽しみに待ってます〜 (7月22日 18時) (レス) @page3 id: 7adcca4d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュカのみ | 作成日時:2023年7月20日 20時