▶︎Iris schooling.[隣の席] ページ6
「じゃあまた後で」
「「またね〜」」
姉達と別れてそれぞれの教室に向かう。
俺は中等部だ。すれ違う、顔を合わせる友人と挨拶しながら教室に入る。
隣の席のアイツとも。
自分の席にカバンを置きながら会話する。
「おはよ〜花芽くん」
「おはよう、胡桃」
「眠そうやな」
「実は今日までに提出の課題を全く触ってなくて…ふぁ〜」
「徹夜でってこと?」
「そういうこと」
「寝えへんと身長伸びへんで?」
「うるさいなこのちんちくりんは…」
「ちんちくー!?」
砕けた口調、幼さの感じる綺麗な緑の目。
紫の入った短い金髪。胡桃のあ。
たった今隣の席でいじってきたコイツ__ちんちくりん__の名前だ。
「ちんちく…てか課題全く触ってなかったん?」
「まぁヤバかったけど休み時間とかの合間にやれば放課後までには終わるくらいまではやってきたよ、偉すぎる俺」
「偉すぎる人は前日ギリギリに徹夜で課題はせーへん」
「ん〜正論…」
会話をしながら、教科書を机にしまいながら、気づく。
「あれ、1限…」
呟き時間割の表を見る。
「の、教科書無くね?」
「え〜、忘れたの〜?」
「いれたと思ったんだけど…」
「今日教科書に載ってる問題メインで授業進めるよ〜って言ってたね、先生」
胡桃は頬杖をつきながらにやにやしている。
「見れないと困るんじゃないかな〜?」
「…あの〜すみません、胡桃さん…」
「どうしたの〜?」
「教科書…見せて頂きたいんですが…」
「しょ〜がないな〜!」
「あ、ありがとう…」
やいのやいの話してると1限の予鈴が鳴る。
みんなが席に着き、教科書やノートを取り出し授業の準備を始める。
まぁ俺は教科書ないけど。
「はい、見してあげる〜」
また少しニヤニヤしながら胡桃は机を近づけ、真ん中に教科書を開きながら身体を寄せてくる。
なぁ、なんか…
「なんか近くない…?」
「近ないと見えへんやん、しゃーないしゃーない」
「…そ、そうすか…」
「どうしたん?顔赤くない?」
「や、そんなことは無いデス」
「もっと寄ろうかぁ?」
小悪魔みたいな笑みを浮かべながら体を寄せてくる。
近っ…!
「ッ!!」
「なはは、冗談やってぇ、照れてる〜?」
「く…」
授業には全然集中できなかった…
▶︎Iris after schooling.[関係]→←↳Lupinus encountering.2
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シュカのみ(プロフ) - ツクヨミさん» コメントありがとうございます! (8月16日 1時) (レス) id: c41f399bec (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ(プロフ) - 次回も楽しみに待ってます〜 (7月22日 18時) (レス) @page3 id: 7adcca4d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュカのみ | 作成日時:2023年7月20日 20時