滲んで 【2j3j】 【短編集】

かれ、し？【fsm?】 ページ16

『あの、貴方誰ですか、』


私は目の前の伏見ガクに似た誰かを睨みつける


「何言ってんだよAっち
　俺は正真正銘伏見ガクだぜ！？」


事が起きたのはつい数十分程前、


今日は彼の家にお泊まりすることになっていた。だからお土産とか今日の晩御飯の材料を買っていこうと街に出かけたのだが、


ふと、服屋さんの方に目を見やると奥の方に見知った顔が



『え、ガク！？』



「は？え、」



近づいて見るとやっぱり伏見ガクで



『ガク、なんで此処に？』



ガクは私を暫くジロジロ見てから
あ、そゆこと…とニヤっと笑いながら言う




「あぁ、Aっちじゃないすか！
　偶然っすね！ぼ…俺は今服を選んで
　て…」


『ガク、なんか声変じゃない？』


「そうっすかね？
　いやぁ、とやさんに風邪うつされちゃったかな？」



『…でも、最近刀也くん忙しくて会えてないって言ってなかったっけ、』



「アレェ？そうだったっけか？」


おかしい…話もズレてる、声も若干違う、何より…


『ちょっと来てくれない？』



「あっ、ちょっ！」



彼の手を引いて店から出る
彼は何かを言っているようだが店側に迷惑かける訳にはいかないし


多少強引に引きずり出しても【本物の】伏見ガクならば怒りはしないだろう



私は彼を殆ど誰もいない休憩スペースに連れ込むと


『あの、貴方誰ですか、？』



と問い掛けた

そして冒頭に至る…という訳だ



「なんで信じてくれないんすか、Aっち…俺はっ、かなしい…っすよ…うぅっ、」


顔を覆い隠し泣き真似をする彼


…あぁ、分かった
この人の正体




『…ガクは私のことを呼び捨てで呼んでくれるし、そんな下手な泣き真似はしないよ？

…ねぇ、ピースサインさん』



pssi「あれ、バレてた？」


顔を覆っていた手をぱっと取り
ニコッと胡散臭い笑みを浮かべる


『ガクと間違えた私も悪いけど
　なんで否定せずにガクの真似なんかしてたの』



pssi「だってぇ伏見ガクさんから聞いてた彼女さんが僕と大事な彼氏を間違えてて面白いなぁと思って！」


うざ、配信も見てて思ってたけど
会うと余計ウザい



かざちゃん丁度よくここに来てコイツに目薬でもさしてくれないかな

、→←おまけ　※注意

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