脅威、末っ子王女に惚れたらしい【wrwrd】

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zm side

zm｢…暇や｣

同盟国のロレーヌ国主催の仮面舞踏会に招待され外交上の理由から仕方なく参加することになった

が、会場の物を食べ、話している人たちを見ているだけというこの状況に既に飽きてしまった
他の幹部も全員来ているが皆会場に着いた途端散り散りになったせいで広すぎるこの大広間のどこにいるか、まるで見当もつかない

仕方なく端の方で会場をぼんやりと眺めていた時、突然隣から聞こえてきた知り合いの名前に反応してしまう

zm｢今、らっだぁって言った？｣
『え、あ…はい……』
zm｢あいつの知り合いなんか？｣
『知り合いというか…』

彼女はそこまで言ってはっとしてから急に声色をあげて笑顔で答える

『そう！知り合いよ、知り合い！貴方も？』

その勢いに押されつつも、頷く
でもあいつに女の子の知り合いなんていたか？聞いたことないし、いるとは思えへんけど…

そんなことを思っていると会場に突然音楽が鳴り響く

“さぁ皆様！今宵のマスカレード、まだまだこれからがお楽しみの時間でございます！”

そんな陽気なアナウンスと共に会場の真ん中が開けてぞろぞろと着飾った人々が集まっていく

zm｢なんや、あれ｣
『舞踏会ですからそろそろダンスが始まる時間なんだと思います』
zm｢あー…ダンスか｣

騒がしくなりそうだから外へでも行こうかとくるりと彼女に背を向けるとぱしっと腕を掴まれる

zm｢…なんや｣
『1曲、一緒に踊って頂けませんか？』

彼女は小首を傾げてそう聞いてくる

zm｢悪いけど俺、踊られへんから｣
『大丈夫！私がリードするから！…あっ』

敬語が抜け、貴族らしからぬ口調でまくし立てるようにそう言われる

『い、今のはお忘れください…』

この子、もしかして


らっだぁが仕えてるって言ってた姫さんじゃ…



そんなことが過ぎりつつも何となく雰囲気のせいか、分からないが俺は気がつけば首を縦に振っていた

zm｢……ええよ｣
『ほんとですか！やったー！…あっ』
zm｢ww隠すの下手なんか。無理に敬語使わんでええわ｣

多分あんたより身分下やし、とぼそりと付け足す

『ごめんなさい…ちょっと苦手で』
zm｢まぁ俺もあんま好きじゃないから。それよりもうそろ始まりそうやけど｣

ちらりと広間の中央を見る
そこには既にペアとなった男女がスタンバイをしていた

『ほんとだ…私たちも行こ！』

彼女に引かれるがまま、中央の開けたスペースへと移動していった

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