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貴方side
何となく察しはついていた
私の余命は3日なんかじゃない
必ずあの連中は処刑を早め、私を殺すだろう
もう私の命はどうでもよかった
私を含めたこの王族が守り抜いたあの国と、あの国の民が助かるのなら
人一人分の命との交換なんて安いものだ
でも欲を言うなれば
グルッペンともっと過ごしたかった
もっと話して、互いに知りたいこともたくさんあったはずだ
それにショッピとチーノにも大迷惑をかけた
不要な置土産だけ残して当の本人が消えるのだから
牢屋の前で眠っている彼の透き通るような白い肌が
蝋燭の揺れる炎にほのかに照らされている
『…好きです、グルッペン様。次はもっと、もっと違う素敵な出会い方をしましょう、？』
涙が落ちていくのも気にせず、小声でそう言って彼に笑いかける
外では真っ暗な夜のヴェールが剥がれかけ、薄暗い陽が僅かに差し込んでいた
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───────
────
『ん、…』
あの後、私も眠ったようだった
気がつけば鉄格子の向こうから彼は姿を消していた
地下牢を照らす蝋燭を見ると少しロウは溶けている
どうやら時間はそれなりに経っているようだった
どうしようかと思っていると、数名の足音がこちらへと近づいてくる
じっとしていると姿を見せたのは
『…───殿』
連合の長たちだった
「どうだ？初めての牢の中での一夜は？さぞ居心地が良かっただろう」
『ええ。この時期は冷たくて気持ちよかったですよ』
嫌味にめげない様にそう返すと舌打ちをして前髪をかき上げる
「まぁいい。それよりお前の処刑を早める。今すぐに出てこい」
『……はい』
鉄格子の鍵が解かれ、中へと衛兵が一人入ってくる
壁と私を繋ぐ手錠の鍵も外され、久しぶりに自由になった
「それじゃあ広間へ行こうか。観客がお待ちだ」
『観客……(まさか…)』
民衆の前で殺るつもりだと悟ったときには
時にしてもう既に遅かった
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そると(プロフ) - ぱずるさん» ぱずるさん、コメントありがとうございます！上手く伝わって感動して頂けて作者としては嬉しいです…次作そろそろ出来そうなのでもう少しお待ちください！ (2021年8月13日 12時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 完結おめでとうございます。紛うことなきハッピーエンドではありませんでしたが、そこもまた良く胸が締め付けられました。とても感動する作品をありがとうございました。これからもそると様の作品を楽しみにしております。 (2021年8月13日 11時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - タユさん» コメントありがとうございます！悲劇の女王、的な感じで書きたかったのでそれが伝わってくれたなら嬉しい限りです！！ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に感動しました（ ; ; ）女王が可愛そうだったのと、ショッピ君の立ち位置が凄くいいなと思いました！本当にお疲れ様でしたm(_ _)m (2019年9月30日 20時) (レス) id: 98f6db82b1 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます！zmさん落ち…同じ世界観…！めちゃくちゃいいじゃないですか…！頑張って書いてみます…！！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年8月9日 13時
