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貴方side
目を覚ますとそこは薄暗い牢の中だった
いつもの服ではなく、灰色の囚人服のようなものを着せられ
鉄格子越しには我々国のトントン様、それに
『(グルッペン…)』
動揺するような様子で赤い目をこちらに向けている彼の姿があった
連合には私をどうしてもいいから国には手を出さないように、と交渉をした
彼らは3日後、私を見せしめとして処刑する代わりに我が国への進軍を中止したらしい
gr「…トン氏、少し二人で話させてくれ」
tn「ええよ」
トントン様は小さくこちらにお辞儀をして、グルッペンにすれ違いざまに小声で数言交わしてから地下牢を後にした
何本かの鉄格子の向こうには会いたかったはずの彼が顔を歪めて今にも壊れそうに立っている
何も話しかけられず、暫くの沈黙が流れる
gr「……A」
『はい』
彼はしゃがみこんで鉄格子に手を当てる
私も重く、自由を奪っている枷を引き摺り彼のに手を合わせる
この鉄の塊がなければ、もっといいのに…。
gr「すまない……こんなつもりじゃなかった…助けられなかった、っ…」
『グルッペンは何も悪くない。全部仕方のないことだったから』
目尻が僅かに濡れてくるのが感覚的に分かる
彼の赤い瞳も涙で少しずつ歪まされていく
gr「そこから絶対に出すから、だから」
『ううん、もういいよ』
gr「…何故だ」
自分でも分かるほど情けなく、哀しい涙を流しながら言葉を続ける
『その代わり、一つ約束して』
gr「なんだ…？」
『あの国を、父や先代が創り上げたあの国だけは絶対に守って…国民は何も悪くない、悪いのは全部私でいいから…』
嗚咽音を上げながら伝えたかったことを言い切る
それとほぼ同時に鉄格子に当てられていた手が大きな彼の手で包まれる
gr「国のことはもう心配しなくていい。Aも悪くない。悪いのは連合だ。我々なんだ。……だから」
"───死なないでくれ"
何故そんなに哀しげに私のことを心配するの？
嬉しいけど、けど
『(最後の最期まで期待を持たせないで…)』
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そると(プロフ) - ぱずるさん» ぱずるさん、コメントありがとうございます！上手く伝わって感動して頂けて作者としては嬉しいです…次作そろそろ出来そうなのでもう少しお待ちください！ (2021年8月13日 12時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 完結おめでとうございます。紛うことなきハッピーエンドではありませんでしたが、そこもまた良く胸が締め付けられました。とても感動する作品をありがとうございました。これからもそると様の作品を楽しみにしております。 (2021年8月13日 11時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - タユさん» コメントありがとうございます！悲劇の女王、的な感じで書きたかったのでそれが伝わってくれたなら嬉しい限りです！！ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に感動しました（ ; ; ）女王が可愛そうだったのと、ショッピ君の立ち位置が凄くいいなと思いました！本当にお疲れ様でしたm(_ _)m (2019年9月30日 20時) (レス) id: 98f6db82b1 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます！zmさん落ち…同じ世界観…！めちゃくちゃいいじゃないですか…！頑張って書いてみます…！！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年8月9日 13時
