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貴方side
『……疲れた…』
風が涼しく頬に撫でつけてくるベランダで独り寂しくそう呟く
手にあるスパークリングの入ったグラスを月光に翳し、くるくる回すと抜けていく炭酸が星のようにガラス越しに夜空に溶けていく
今日はこの国で建国記念のパーティーが開かれている
皇女は私1人しかいないため、各国外交大使たちの相手をさせられていた
慣れない外交に疲労しきってしまい、今はお付きの人達を振り切って夜風に当たりに来た
ここは私しか知らないベランダだ
昔から何か嫌なことや辛いことがあるとよくここへ来ていた
懐かしいな、なんて思いながらグラスを口に運ぶ
「皇女様がこんなところへ、何をしに来たんですか」
辺りを憚るような低くよく通る声が私の耳へと伝わってくる
『っ…誰ですか？』
背後から聞こえてこないはずの人の声に驚きながら問い返す
月の光で逆光になっている室内からベランダの方へと声の主は歩いてくると少しずつ、その姿がはっきりと見えるようになった
綺麗な金色の髪に赤い瞳
男性にしては白く、透き通るような肌をしている
黒い軍服には彼の国のものらしい紋章が描かれていた
外交官…ではなさそうだ。かなり若い
私と同じ歳くらいな気がする
それに軍服を着てる割に細い体つきのようだ
『誰ですか。この国の方ではないですよね？』
念を押すように再度聞き返す
彼はふっ、と笑って帽子を手に取り、小さくお辞儀をする
「ただの招かれ人です」
私と彼との間に初夏の涼しい風が吹き抜けていった
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そると(プロフ) - ぱずるさん» ぱずるさん、コメントありがとうございます！上手く伝わって感動して頂けて作者としては嬉しいです…次作そろそろ出来そうなのでもう少しお待ちください！ (2021年8月13日 12時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 完結おめでとうございます。紛うことなきハッピーエンドではありませんでしたが、そこもまた良く胸が締め付けられました。とても感動する作品をありがとうございました。これからもそると様の作品を楽しみにしております。 (2021年8月13日 11時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - タユさん» コメントありがとうございます！悲劇の女王、的な感じで書きたかったのでそれが伝わってくれたなら嬉しい限りです！！ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に感動しました（ ; ; ）女王が可愛そうだったのと、ショッピ君の立ち位置が凄くいいなと思いました！本当にお疲れ様でしたm(_ _)m (2019年9月30日 20時) (レス) id: 98f6db82b1 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます！zmさん落ち…同じ世界観…！めちゃくちゃいいじゃないですか…！頑張って書いてみます…！！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年8月9日 13時
