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貴方side
にこりと笑ってそう言った彼は肩から落ちかけている黄色のオーバーオールの紐をかけ直してゾムさんへと向き直る
sya「トントン、まだ気づいてへんよ。今のうちに。」
zm「おっけ。マンちゃんは？」
sya「多分セーフ。国境付近で待機しとるらしいから」
zm「了解。じゃ俺が連れて行くわ」
sya「お願いね」
『国境付近に…？』
sya「グルッペンが貴方のことを待っています」
『！！』
グルッペン様の名前を聞くだけで思わず反応してしまう
もしかしたらこの計画自体、彼らの罠かもしれないのに
そうとは疑わずに行きたくてしょうがなかった
zm「ほら、はよ行くで」
『は、はい』
zm「あ、流石にこのままやとバレるかー…んー」
少し考えてからゾムさんは自身のパーカーを脱いで私へと被せる
最も、投げつけるという方が正しいかもしれないが。
zm「それ着とけば取り敢えず大丈夫やろ！よし！行くで！！」
月の光でにしっと八重歯を見せて笑うゾムさんの顔が浮かび上がる
『(…こんなに整ったお顔をされていたのね…)』
初めて見た彼の顔に驚きつつも、馬へと跨って国境を目指した
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────────
─────
zm「グルッペーンどーこおーんのー？」
森の中を陽気なリズムでそう言いながらゾムさんと共に進んでいく
辺りからは自然の声が聞こえてきて、心なしかどこか不気味にも思えた
「ここだ」
そんな思いもすぐにあの低い声でかき消される
森が開けたところに彼は立っていた
『グルッペン様！！』
思わず駆け寄って近づく
彼は優しく笑って抱きとめてくれる
gr「また会えて嬉しく思う」
『こちらこそ』
gr「ゾム、しばらく」
zm「！…へーへー」
草木を分けて彼は森の向こうへと姿を消した
『…この数カ月でここまで発展するとは私も想定していませんでした……一、王政国としてお詫び申し上げます』
お辞儀をするように頭を下げかけるとすぐに上から静止の声がかかる
gr「貴方が謝ることではない。あの連合が勝手に動き出したのが悪いのです。それよりあの指輪は？」
『…あるにはあるのですが…何せ今は訪問客も多く、あの指輪で何かがバレれば厄介事になりかねないかと』
少しの静寂が訪れてから彼はまたふ、と笑う
gr「貴方らしい判断だ。また収まってからつけてくれればそれでいい」
ちらりと顔を上げると優しい笑顔の彼と目が合う
嗚呼、もう手遅れなんだと再度自覚をした
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そると(プロフ) - ぱずるさん» ぱずるさん、コメントありがとうございます！上手く伝わって感動して頂けて作者としては嬉しいです…次作そろそろ出来そうなのでもう少しお待ちください！ (2021年8月13日 12時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 完結おめでとうございます。紛うことなきハッピーエンドではありませんでしたが、そこもまた良く胸が締め付けられました。とても感動する作品をありがとうございました。これからもそると様の作品を楽しみにしております。 (2021年8月13日 11時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - タユさん» コメントありがとうございます！悲劇の女王、的な感じで書きたかったのでそれが伝わってくれたなら嬉しい限りです！！ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に感動しました（ ; ; ）女王が可愛そうだったのと、ショッピ君の立ち位置が凄くいいなと思いました！本当にお疲れ様でしたm(_ _)m (2019年9月30日 20時) (レス) id: 98f6db82b1 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます！zmさん落ち…同じ世界観…！めちゃくちゃいいじゃないですか…！頑張って書いてみます…！！ (2019年9月30日 16時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年8月9日 13時
