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貴方side
そう新しくはない建物のせいか、次々と炎で屋上の床が落ちていく
私が立っているところももう、数分もしたら落ちるだろう
『(今回の今回は流石に無理かな)』
想定外な爆発の規模だったため、飛び移ろうとしていた周りの木々が駄目になった
流石にいくら運動神経が良くてもここから飛び降りれば間違いなく死ぬ
そんなんならこのまま待って自動的に火葬された方がマシだ
まだ燃えていない地面に座り、ふうと一息つく
ふと、思い出して左胸に手を当てる
ゾムに特殊部隊長の階級章バッジを引き継ぐのを忘れていた
左胸からそれを外して天に翳す
銀と翡翠色のそれは橙赤の炎をぎらりと反射させる
『……何でここに来とんねん』
呆れ半分、心配半分な声でそう言う
階級章バッジに映りこんでいた炎の奥の人影
見間違えるはずもない、彼の姿だった
緑のパーカーを翻して炎の中、こちらへと向かってくる
"来んでええよ、あんたは"
そう言おうとして開いた口からは言葉がもう出なかった
いつも間にやら吸い込んだ灰で気道が覆われていく
くらりと目眩がして辺りが見えなくなる
「────────っ！」
彼が何か言っている
何か叫んでいる
でも何も聞こえない
耳ももう機能していないようだ
最後の力で左手に持っていた階級章バッジを彼の方へと伸ばす
『ゾム、あんたが、次の特殊部隊長や、…』
出るはずのない、聞こえるはずのない声ではない声でそう言う
その後のことはわからない
貴方side終
────────
sya side
sya「しんぺー。二人を助けて」
psn「うん、任せて。ここまでよく頑張ったよ。ありがとう」
もうぼろぼろになった二人を彼へと預ける
一人は軽かった
銃で撃たれた傷は適切に処理されている上、あまり灰も吸い込んでいなかったからだ
もう一人は酷かった
体のほとんどに見るも耐えないほどの火傷を負い、喉も潰れ、元々患っていた病気のせいで肺がほとんど機能していないそうだ
それでも二人はこの国を救った、この国の恩人だ
何としても助けたい
ut「…シャオちゃん」
sya「ぁ…大先生」
ut「ゾムと、Aさんはどうやったん」
sya「ゾムはきっと大丈夫…でもAさんは…」
ut「…」
互いの間に重く苦い空気が立ち込める
彼女は幹部を救い、何よりこの国に無くてはならない"総統"を救ったのだ
そして将来的に戦力となる精鋭部隊を全滅させた
自らを巻き込みながら
これ以上ない栄名だった
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そると(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます！よかったあぁあ！書けなかった分は皆様の想像にお任せしてます…ぜひぜひ次作も見てって！ (2020年1月18日 11時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 完結おめでとうございます！ 急に終わってビックリしましたが、この終わり方もハッピーエンドに含まれると思います！肺の病気拗らせてもそれまで幸せに暮らしていたと勝手に思っているので！笑 (2020年1月18日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
てぃーぽっと(プロフ) - そるとさん» あ、絶対見ます(( (2020年1月17日 22時) (レス) id: b7d3855940 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - てぃーぽっとさん» コメントありがとうございます！まじですか！嬉しい限りです…次作は学パロに挑戦しようかな、と思っているので是非ご覧ください！！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
てぃーぽっと(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品、通知が来るたびにｲｪｪｴｪ！ってなってたので、ちょっと寂しい気もしますが( ；∀；)これからも応援してます！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: b7d3855940 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年9月30日 7時
