脅威のお師匠はあの人の姉貴【wrwrd】

35 ページ37

貴方side

『私は殺されることには特に抵抗ないですが、理由を聞かせてもらえませんか？』

落ち着いた様子のまま、そう問うと彼はまたふふ、と笑って優しい笑顔で答える

「我々国を処理する上で貴方という存在は一番邪魔なのです。それは貴方が一番分かっているでしょう？」

『…さぁ』

正直わかってはいる

一番の戦闘力を持っていて、且つ軍部の統率も行っている

私が消えるだけでだいぶ戦いにくくはなるはずだ

まぁこの国が負けるとは思えないが。

「どうせ処理をするなら、私がして差し上げますよ。どうです？光栄でしょう？」

表情と言動がまるで合ってませんね、王子様？？

なんて言えるはずもなく取り敢えず黙りこくる




「そうそう、貴方を処理するのは当たり前ですがそれ以外にも邪魔な"彼ら"も処分いたしますね」

『邪魔な彼ら、…まさか……』

驚きと恐怖で思わず目を見開く

『だめだ！！皆には手を出さないで！！』

叫ぶようにそう言うと一層深く、彼は優しい顔で笑いかける

「いい顔していますね…貴方がこちら側でしたら私が貰っていた所だったのに…残念ですね」

『貴方様になんて貰われなくて正解ですね』

皮肉込めたことを言うが、尚彼は笑ったままだ



彼の言うことが本当ならグルさんやトントン、オスマンだけでなく他の皆も

勿論、ゾムにも

何か手が及んでいるかもしれない


『生憎ですが、それを聞いた以上私はここを抜け出さなくてはならないので』

「逃げられると思っているのです？」

そう言いながら先程より強く、銃口を押し付けられる

そんな様子をはっ、と鼻で笑う

『私をあまりナメないでほしいですね…』

そう言い切るとほぼ同時に身を捻り、自由な足を使って彼のことをベッドの端へと押しやる

手錠で手が不自由であっても、動ける

それもこれも全部あいつから叩き込まれた私の腕だ


-*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*--*- -*- -*- -*- -*-

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す