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zm side

『おはよー!ゾム』

zm「おはよう」

朝から元気に笑顔でそう言われ、眠気なんてあっという間に吹き飛んだ

zm「今日は俺らはどうするん?」

『取り敢えず今日は本館の警備やね。明日からは外になるけど』

zm「わかった」

『早速それ着てくれてるんやな』

ふふ、と笑う彼女の目線の先には俺が羽織っているあの緑のパーカーがあった

zm「そりゃ大切な人がくれたんやから当たり前やろ」

『へ、…大切な人、?』

zm「おん」

一瞬Aさんは固まってからまた笑い出す

『ありがとうね。よし、じゃあ今日もがんばろー!』

気分が余程いいのか、鼻歌を歌いながら彼女は歩き出した

と、廊下の角を曲がったとき、勢い良く誰かとAさんがぶつかり、小柄な彼女は後ろへと尻もちをつく

『いった…』

「すみません、私が前を見ないばかりに…お怪我はありませんか?」

俺が手を差し伸べるよりほんの少し前にぶつかった本人がそっと片手を出した

服装は高そうで豪華なものだった

茶色がかったさらりとした髪に金色の瞳、整った容姿

何も知らない自分でもよくわかる

zm「(どっかの王子サマか…)」

彼女の心配をしつつ、取り敢えず後ろで黙って待っている

Aさんは上を見て、その人を視認するなりすぐさま起き上がり、跪く

『こちらこそ、不注意だった私のご無礼をお許しください。貴方様はお怪我をされていませんか?』

「私は大丈夫です。というより女性に跪かせるのは私の道理に反するのでおやめください」

『分かりました』

さっと立ち上がり、胸に手を当て敬意を表しながら彼女は頭を下げる

『では、私はこれで失礼します』

「あ、一つだけいいですか?」

『はい』




「今夜、空いていますか?」

zm「…」

ぐっと握りしめた俺の手に気づいたのか、Aさんはさっと俺の前へと出てくる

『ええ。何かご用でもございますか?』

「是非、私の部屋へお越しください、Aさん」

『…私のことをご存知で?』

「勿論です。では、また今夜」

にこりと人当たりの良さそうな笑顔で彼はさっと廊下の奥へと消えていった


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そると(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます!よかったあぁあ!書けなかった分は皆様の想像にお任せしてます…ぜひぜひ次作も見てって! (2020年1月18日 11時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 完結おめでとうございます! 急に終わってビックリしましたが、この終わり方もハッピーエンドに含まれると思います!肺の病気拗らせてもそれまで幸せに暮らしていたと勝手に思っているので!笑 (2020年1月18日 10時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
てぃーぽっと(プロフ) - そるとさん» あ、絶対見ます(( (2020年1月17日 22時) (レス) id: b7d3855940 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - てぃーぽっとさん» コメントありがとうございます!まじですか!嬉しい限りです…次作は学パロに挑戦しようかな、と思っているので是非ご覧ください!! (2020年1月17日 18時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
てぃーぽっと(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品、通知が来るたびにイェェエェ!ってなってたので、ちょっと寂しい気もしますが( ;∀;)これからも応援してます! (2020年1月17日 18時) (レス) id: b7d3855940 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作成日時:2019年9月30日 7時

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