暗殺者の失敗【wrwrd】 (ページ49)

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貴方side

反射的に目を伏せ、最期を待つ

数秒後、私の体に剣

ではなく、誰かの血がべとりと付く

『…な、…なんで…ここに…』

「そら、仲間の危機やからやろ」

見覚えしかない緑のパーカーの彼がくるりと振り返る

長い茶髪の隙間からぎらぎらと殺る気に満ちた目が光っている

『ゾム…！！』

zm「いや～ほんま暇やったわ。なんで大先生はあんなに俺のこと休ませたがるんやろなァ～」

ずさり、と背後にいた敵を殺して彼の手を借りて立ち上がる

zm「ま、お陰でロボロに見舞いにも来てもろーたし結果オーライやな」

『元気そうで良かった』

zm「伊達にもあれだけ休んどったからね」

くるりと振り返り、ゾムと背合わせになる

頬についた血を左手で拭ってにやりと口角を上げる

『なーんか、漫画みたいだねこれ』

zm「ええやん、楽しそうで。ほんなら…」

かちゃりと二丁拳銃のコッキング音が聞こえてくる

zm「背中は任したで、ワンザ」

『此方こそ』

貴方side終
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ut side

前線がかなり本部よりになった頃

会議室は作戦の立案や諸外国との通信で荒れていた

gr「大先生、オスマンからの連絡は」

ut「まだないらしいで」

そう言うとグルちゃんは見るからに肩を落とした

彼がそうなるのも無理ない

通告が届かないどころか、連絡さえ取れていない

マンちゃんの身に何かあったのかもしれない

そんな事を考えていると会議室の扉が叩かれた

ｺﾝｺﾝｺﾝ

ut「何や」

ｶﾞﾁｬ
「いやぁ～えらい遅うなってすんません」

gr「オスマン！！」

そこにはマンちゃんともう一人、見慣れた人物が立っていた

ペガン国の軍部総司令部の長だ

os「ペガン国の参戦が正式に決定しためう～！」

「通告が遅くなってしまい、申し訳ないな」

gr「大丈夫だ。それでいつ頃、海軍は到着するんだ？」

「もう来ているよ」

gr「え、？」

os「俺をこちらへ送るのに海軍で来たんよ。もう国の南東側に海軍は到着済みや」

ut「え、ほんまに？」

os「ほんまほんま！」

gr「なら、そのまま駐屯してくれて構わない」

「いや、我がペガンも進軍を行おう。国民も我々国には"あの時"の恩があることは重々分かっている」

あの時とは恐らく第二大陸統一の事だろう

世界で初めて大陸制覇へと乗り出たのは他でもないペガン国だった

彼らから応援要請を受け、参戦したのも我々国だけだった

だからこそ今のような関係が築けている