暗殺者の失敗【wrwrd】 (ページ48)

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貴方side

このままじゃ本当にもう一度グルッペンは本土戦をしかねない

せめて通告が来るまで引き延ばせれば…

そんな期待も

ｺﾝｺﾝｺﾝ
「グルッペン・フューラー総統閣下様！北華がチェミと共に国境を越えて進軍し、西第一要塞が…陥落しました…！！」

この一報によって消し去られた

em「来たんやな…陸軍第一と特攻は西に、第二と山岳師団は北東要塞へ行ってください。包囲されへんように北東は防衛一手でお願いします」

「分かりました！！」

em「グルッペンさん」

エーミールは見据えるような真っ直ぐな目でグルッペンに話しかける

em「これをどれ程持ち堪えられるか、貴方の指示にかかっていますよ。…じゃあ一度解散にして各々動いてください」

その掛け声と同時にほとんどの人が部屋の外へと出ていった

残ったのはグルッペンと私だけだ

『…グルッペン』

gr「何だ。罵るつもりなんか。俺の選択はリスクが高過ぎたと」

『そんなことはしないよ。それより今はこの危機を脱する方法を考えて。ね？総統サン？』

にこりと笑って彼に問いかける

gr「あぁ。任せてくれ」

もう一度、彼の赤い瞳に強い炎が灯ったように見えた

────────

装備を整え、陥落した要塞の近くへと偵察に向かった

西第一要塞は酷い状態だった

恐らく電撃戦のように一点集中で突破されたのだろう

ﾋﾟｯ
tn「どんな感じなん？」

『かなり酷い。これはここ奪還より前線を引き下げた方がいいかもしれない』

tn「分かった。…ほんなら山岳師団を派遣して西第一要塞と本部の間の山に構えるんはどうや？」

『その方がいいね』

tn「じゃ連絡は俺からしとくわ。ワンザは早いとこ此方まで戻ってきてくれへんか」

『了解』

すぐに数人の部下を先導して中心部近く目指して急いだ

────────────

命令や怒声、剣のぶつかり合う音が響く戦場

自分の体にもいくつもの切り傷がある

そして目の前には猛然と立ち向かってくる兵士

『っくそ、…！！』

数で質を圧倒された

もう敵軍は中枢部の建物が見えるほどの距離に来ている

kn「…これ、きりないやろ…！！」

『空軍があと少しで来る。それまで…』

kn「……せやな」

また一人、一人と刺殺していく

そして五人目を殺った後、疲労からか

ぐらりと視界が歪む

前には敵がいる

けれども動けない

ほんの少し足に力を入れて動き、剣を降れば殺せる距離にいるのに。

嗚呼、ただの雑魚兵に殺されて終わるのか

私の命は。