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貴方side
エイトフット「あんま吸いすぎもよくねぇぞ」
『…分かってるよ』
もう吸えなくなった煙草を柵に押し付けて火を消した
後で少しやけ酒しようかな…
まぁ強くはないけどね
エイトフット「酒なら後で付き合うぞ」
『お、有り難い』
ま、書類あるんでしょ？とニヤつきながら言うと
今はやめろ、と言わんばかりな顔をした
『ﾌﾌｯ相変わらず大変そうね』
エイトフット「お互いだろ」
がしゃんとジョーが柵に寄りかかる音と共に紫色がかった彼の手が視界に入る
彼ももう、終わりが近い
また来年
ただそれだけの言葉が言えない
お互い生きていられるか分からない
もし私や貴方が人間だったら
明日も明後日も来年も
またねで終わり、久しぶりで始められる
『……ﾎﾞｿｯ羨ましい』
エイトフット「何がだ？」
『いいなぁ人間…羨ましいよ』
その言葉にジョーは黙り込む
『そうは思わない？』
エイトフット「……さぁな」
『(まァ、人間になったヒロインさんにマスターが散々にされたら嫌にもなるか)…ねぇジョー』
エイトフット「なんだ？」
『貴方は…いなくならないよね？』
そう言いながら彼の肩に凭れかかる
『貴方は私のマスターのようにいなくならないよね？』
あの晩以降、何度も見た"あの夢"
目の前で死にゆくあの方に何度手を伸ばしても
掴むことはできない、助けることもできない
マルフィが消える夢も見た
灰のようにさらりと消えていく夢を
『何故、我々は失うことしかできないの？もう無くすものは何もないはずなのに…どうして、どうして…ｯ!!』
エイトフット「A…」
『もう何も失いたくない！私だってマレフィセント様やマルフィや貴方と過ごしていたい！！なのにどうして』
エイトフット「A！！」
『っ…』
強く彼が私の肩を持つ
エイトフット「俺らに物語を変える力はねぇ。けど、やれることはある。この世界に生まれたからにはやることはやりきる。それが今の俺らにできることだ」
『私に…できること…』
そうだ、泣いたって無駄だ
足を進め、手を動かし
やるべきことをする
そして今の私達がすべき事は
人間を招き入れる
『ごめんね、ありがとう。』
消え入るようにそう言うと
ジョーは何も言わずに私の背中に手を回し
抱き寄せてくれた
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そると(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます！そう言って貰えるのが何よりも嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年5月14日 9時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - すごく面白いかったです！最高の作品をありがとうございました！！ (2020年5月6日 9時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2019年1月12日 6時
