マフィアとチート少女 (ページ31)

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第28話ページ31

貴方side

帰ると何やら本拠地が騒がしい
僕は急いで首領室へ向かう

『黒宮です』
黒尾「入れ」
ｶﾞﾁｬ
『どうしたんですか？やけに騒がしいですが』
黒尾「ん？あぁ。なんでもないよ」
『なんでもない筈ありません。』
黒尾「本当に大丈夫だ」
ﾊﾞﾝｯ!!
僕は思いっきり首領の机を叩いた。
『何でも無いのに何故目を合わせないんですか？それに瞳孔開きっぱなしです。何かあったんですよね？』
黒尾「…ハァ…流石だな。今回の全面異能力戦争の目的はAだったんだよ。」
『え…』
黒尾「この間の休暇の芥川との衝突があっただろ？あれで太宰に情報が漏れて何としてもAを引き込みたいらしい。まぁ建前は物資独占なんだろうけどな。」
『なんで…僕が…』
黒尾「この事を話せばAは此処を離れるだろう。どうせお前のことだ。"俺達のことを考えて"とでも言って。」
『……』

僕は首領が云った通りの事を考えていた。
僕のせいで皆に迷惑がかかる。
それなら僕が此処から立ち去ればいい。

黒尾「絶対に逃げるな。お前は俺達の家族同然だ。ま、今までの恩返しってとこだ。」
『首領…っ！？』

いきなり首領は立ち上がると僕の腕を強く引いて自分の腕の中に閉じ込めた。
僕らは20cm近い身長差がある為、僕はすっぽりと首領に覆われた。

黒尾「A。俺らは今まで散々お前に守られて支えられた。だから今だけは…黙って守られてくれ。」
『黒尾…さん…』
黒尾「な？」
『はいﾆｺ』

僕は少し寂しく思いつつもどこか吹っ切れた笑顔を黒尾さんに向けた。

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