ここが僕の帰るべき場所［桃］*

# 2-3 ページ9

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少し体調が落ち着いてきた頃、先生が再び病室にやってきた。




病気のことはまっすーにも聞いてもらうことにしたから、2人で先生に注目する。








「先に検査の結果から申し上げますと、手越さんは"甲状腺亢進症"という病気です」




甲状腺亢進症... 聞いたことある。てっきり心臓か何かが悪いのかと思った。




「名前は、聞いたことがあります、」

「そうですか。この病気はホルモンバランスの崩れなどによって、急激に痩せる、疲れやすくなる、頻脈になる、などの症状が伴います。胸に痛みが生じたのは、おそらく頻脈によって心臓に負担がかかったためでしょう」




急激に痩せる... 疲れやすくなる...




全部が全部、思い当たる節ばかりだった。




「それで、俺はどうすれば、？」




病気になってしまったことは分かった。それならすぐにでも治療しなくちゃ、これから先仕事の予定は山積みだった。




「ひとまず薬での治療を始めましょう。手越さんの場合、甲状腺の腫れが目立ちにくいため発見が遅れたのも一つです。治る速度は人それぞれですが、様子を見て薬の量を調整していきます」

「入院は、しなくていいんですか？...仕事は？」

「出来るだけ安静にしていただきたいですが、激しい運動などでなければお仕事は大丈夫です」




よかった... 仕事はしていいんだ。




「ただ、薬の副作用は覚悟しておいてください」

「副作用？」

「人によって様々ですが、アレルギー反応や白血球の低下などが生じることがあります。ですので、身体に違和感を感じたらすぐに受診してください」








そのあとも、薬の説明とか通院の話を色々聞かされた。その間、まっすーは隣でずっと黙って聞いていた。




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