第2章 : 発症 ページ7
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手越を抱えて立ち上がると、想像の何倍も軽くてびっくりした。
車に乗り込むなり気を失ってしまった手越の胸をさすりながら、俺はマネージャーと急いで病院に向かった。
「手越、着いたよ」
そう言って返事のない手越を抱き上げて、あらかじめ連絡しておいてもらった病院の裏口から診察室に運び込む。
「どうなさいました?」
「急に胸を抑えて苦しみ出して、」
そういうと、先生は手越をベッドに寝かせて診察を始める。
するとすぐに深刻そうな顔で「このまま検査させてください」と言って、手越はストレッチャーで運ばれてしまった。
残された俺は、ただ待っていることしか出来なかった。
ここに来るまで冷静に対応出来た自分を褒めたいぐらい、急に不安な気持ちが抑えられなくなった。
最近急に痩せたと思っていた手越。抱えた時の軽さは痩せたなんかじゃ済まされないぐらい軽かった。
胸を抑えて苦しそうにする手越の顔が頭から離れなくて、何か悪い病気じゃないことを祈るしかなかった。
どれぐらい経ったのか、さっき手越を診察してくれた先生が戻ってきた。
「先生、手越は...」
「まだ検査中なので詳しいことはお話出来ません。ご家族の方は?」
手越の家族は母親一人だったはず。しかも東京には住んでいない。
「母親がいるはずですが、家が遠くて」
「そうですか... 基本的にご本人とそのご家族にしか病状はお伝え出来ないんです」
家族よりも長くそばにいる俺でも聞けないのか...?
「俺じゃ、ダメですか?」
「ご本人の許可があればお話出来ます。ひとまず検査が終わればご報告しますので、手越さんが目を覚まされたらまたお話しましょう」
「分かりました... ありがとうございます」
とにかく今は待つしかなかった。
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みーぽん(プロフ) - こころさん» こころさん、いつもありがとうございます(о´∀`о) 感動、しましたか?嬉しいです(;o;) お話がマンネリ化しないように頑張りますので、飽きずに読んでいただけたら嬉しいです!今後ともよろしくお願いします(*´∀`*) (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - ましゅさん» ましゅさん♪ 毎作品そう言っていただけてめちゃくちゃ自信になります(;o;) ありがとうございます!ましゅさんリクエストのお話書くのも楽しみです♪ 引き続きよろしくお願いします(^○^)☆ (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 星ますさん» 星ますさん!いつもありがとうございます♪ もう書くの楽しくって止まりません笑 めちゃくちゃ自己満ですが、楽しんでいただけて嬉しいです(*´-`) 赤星は皆様の優しさのおかげです(;o;) そして私は星ますさんの新作が読みたいです!笑 今後ともよろしくお願いします♪ (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 完結おめでとうございます!毎回毎回感動しまくりでした。次のお話もとっても楽しみです(^o^)これからも頑張って下さい♪ (2019年10月7日 20時) (レス) id: 84071babe8 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 完結お疲れ様です!全ての作品感動させていただいて、毎回引き込まれながら、次の展開にドキドキしながら読ませていただいています(〃ω〃)毎回毎回、すごく引き込まれる作品を読ませていただけてほんと尊いです\(//∇//)\次の作品もとっても楽しみにしてます! (2019年10月7日 19時) (レス) id: 2d564c1d47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーぽん | 作成日時:2019年9月28日 16時