# 7-3 ページ33
▽
「小山、お疲れ」
収録が終わると、すぐに俺は支度をした。
「まっすー早いね。お疲れ様」
「うん、ちょっと手越んとこ行ってくる」
「ああ、ごめんね... 手越のことよろしく」
小山との挨拶もそこそこに、俺はブースを出て手越のマネージャーに連絡した。
「もしもし?増田です」
『あぁっ、増田さん!ちょうど連絡しようと思ってたんです』
そう言ったマネージャーは少し焦っていた。
「え、なに?どうしたの?」
『それが、今日サッカー番組の仕事入ってるんですけど連絡取れなくて...』
「うそ、いつから?」
『朝からずっとです... 昨日も体調悪そうだったから心配してたんですけど...』
昨日?昨日はラジオの収録で一緒だった...
「今、どこ?!」
『今から手越さんの家向かおうと思ってるとこで...』
「俺もすぐ行くから、鍵開けてくれる?」
『分かりました...!』
そう言うとすぐに電話を切って俺はタクシーを拾った。
昨日会ってたのに、説得することばっかり考えて手越の顔色なんて全然見てなかった...
「すみません、急いでください!」
「あっ、はい」
タクシーの運転手さんを急かして手越の家に着くと、すでにマンションの前でマネージャーが待っていた。
「ごめん、お待たせ、」
「いえ...!インターホン、鳴らしても出ません」
「鍵あるよね?入ろう」
そう言って俺たちは合鍵で部屋に入る。
「手越?手越いる?」
前に来た時は寝室で寝ていたな、と思って覗いてみたけどベッドに手越の姿はなかった。
トイレとか洗面室にもいない。
そのまま奥の部屋に進むと、キッチンの横の洋室に人影が見えた。
「っ、...手越!!!!!」
駆け寄ると、手越がうつ伏せになって倒れていた。
「手越、手越聞こえる?!」
抱き寄せて仰向けにした手越の顔は真っ白で、頬には涙の跡がたくさんあった。
「手越、っ、手越しっかりして...!」
身体を揺すっても、ピクリとも反応しない。身体は冷たくて、呼吸もほとんど聞こえなかった。
「手越さん...!」
「はやく、っ、救急車呼んで...!!!!」
後から来たマネージャーに救急車呼んでもらって、俺は必死に心臓マッサージをした。
「手越... 手越、戻ってきて、お願い...」
手越の不調に気付いてやれなかったこと、すぐに助けてやれなかったこと、色んなことに後悔して涙が止まらなかった。
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みーぽん(プロフ) - こころさん» こころさん、いつもありがとうございます(о´∀`о) 感動、しましたか?嬉しいです(;o;) お話がマンネリ化しないように頑張りますので、飽きずに読んでいただけたら嬉しいです!今後ともよろしくお願いします(*´∀`*) (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - ましゅさん» ましゅさん♪ 毎作品そう言っていただけてめちゃくちゃ自信になります(;o;) ありがとうございます!ましゅさんリクエストのお話書くのも楽しみです♪ 引き続きよろしくお願いします(^○^)☆ (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 星ますさん» 星ますさん!いつもありがとうございます♪ もう書くの楽しくって止まりません笑 めちゃくちゃ自己満ですが、楽しんでいただけて嬉しいです(*´-`) 赤星は皆様の優しさのおかげです(;o;) そして私は星ますさんの新作が読みたいです!笑 今後ともよろしくお願いします♪ (2019年10月7日 22時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 完結おめでとうございます!毎回毎回感動しまくりでした。次のお話もとっても楽しみです(^o^)これからも頑張って下さい♪ (2019年10月7日 20時) (レス) id: 84071babe8 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 完結お疲れ様です!全ての作品感動させていただいて、毎回引き込まれながら、次の展開にドキドキしながら読ませていただいています(〃ω〃)毎回毎回、すごく引き込まれる作品を読ませていただけてほんと尊いです\(//∇//)\次の作品もとっても楽しみにしてます! (2019年10月7日 19時) (レス) id: 2d564c1d47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーぽん | 作成日時:2019年9月28日 16時