示しー川上サイドー ページ34
川上 A「…」
どうしよう
何から話せばいいのか…
松瀬さんは練習に戻らないといけないのに
焦れば焦るほど言葉が出てこない
A「悔しいね…」
川上「…！？」
松瀬さんから話し始めてくれた
川上「明日も投げられないんだ…」
A「…」
ただ心配そうに俺をみつめていた
川上「準決勝でも投げられなくなって、その事実を受け入れられなくてベンチから応援すらできなかった…ほんと情けないよね」
何故かこの人には本音を話せた
A「川上くんが後ろにいるのといないとで投手陣だけでなくチームとしても大きな影響はあると思う」
川上「そうかな…」
正直、後輩にすごい奴がふたりもいて追いつくのに必死でそんなこと考えたこともなかった
川上「俺、高校で野球辞めるんだ
だからこそ、ここまで来れた
去年の決勝戦のことは一日たりとも忘れたことはない…やっとリベンジする時が来たのに…
俺には後がない
この夏のためなら壊れたっていい…全てを懸けたい 」
一度口にしたら止まらなくなる本音
A「後がないのは私も同じだよ
プロや大学で現役を続けられるのはほんの一部の人だけだから」
川上「え…？」
その言葉に違和感を感じる
松瀬さんだって ほんの一部 の人なはずなのに
A「投げられないのは本当に悔しい
だけど、必死に戦う仲間に勇気を貰ったし、私はここまで来ることができた
診てもらってる先生は同じだから言われたことは何となく分かる
でもそれが川上にとってチームにとって最善のことなんだよ」
川上「…！」
A「川上くんが明日の試合に懸ける想いは計り知れないものだと思う
だけどね、ベンチに入ることすら許されない仲間たちがいるんだよ
次戦えることを信じるしかないんだよ」
川上「ｯ…！！！」
その大人な発言に自分が恥ずかしくなった
A「明日投げられなくても、全国の舞台で投げられる機会が川上くんにはある
明日勝つ保証なんでどこにもない
でも、自分ではなく全てを懸けてもいいと思える仲間たちがいる
私はそう思って夏の予選ベンチから戦ってきた」
悔しいけど
出る幕なんてないことはわかっていた
病院に連れて行かれたのも納得させるため
それをわかってるから
さっき監督に言ったじゃねぇか
自分の思いを託すって
川上「みんは…午後練の前にちょっといいかな」
だから俺はチームに示さないといけない
負けられねぇんだよー野球部サイドー→←同じ境遇ー川上サイドー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
