因縁の相手ー御幸サイドー ページ31
決勝戦は稲城実業
去年と同カード
稲実はますます打線に投手の層に厚みが出ていて
何より…
渡辺「そして言わずもがな
エース成宮鳴」
御幸「あのヤロウ…東京代表では黙ってやがったな…」
持ち球の変化球に磨きがかかり
新球と思われるカットボール
あの成孔打線を抑えた
鳴を打ち崩さなければ
稲実を倒さなければ甲子園はない
まさに因縁の相手と言える
ーーーーー
御幸「失礼します…」
片山「しっかし、この組み合わせ…苦笑」
A「どこが相手だろうがやることは同じです」
片山「頼もしいねぇ 」
監督室に入ると片山監督とAがいた
高島「今年のインターハイのブロックはかなり偏りがあるらしく、初戦から去年ベスト4入りしたチームとみたいです」
落合「ほぉー」
片山「あんまり先のことを話すのは好きじゃねーけど……次、桃山にリベンジできるとしたら決勝戦」
目の色を変えたのは片山監督だった
片山「ここからは関東大会、インターハイと連戦となる
その前に選抜、夏の予選を経て、キャプテンであるお前にもう一度意思を確認しておきたい」
A「…今は言いたくありません」
春は監督から選抜の感想を聞かれても答えなかった
改めて聞かれた問いかけにどう答えるのか
少し遠くから離れている俺たちも声を潜め耳を傾けた
A「正直言って春は完敗でした
桃山高校に圧倒的な力を見せつけられ、絶望感さえ感じました」
桃山高校
公式戦では負けなし
特にエースはこの春以降、登場するイニング無失点らしい
こういう強いチームを倒さないと俺たちの目標は達成できない
A「春以降は怪我でチームに迷惑をかけた
それでも諦めずに戦う仲間の姿にどれだけ勇気を貰えたか…ここまで来れたのはみんなのおかげです」
互いを高め合い成長を続けたソフト部
そして手に入れた全国の舞台
A「だけど、やっぱり試合に出たい
自分の力でチームに貢献したい…その想いがより強くなりました」
初めて見せたAの欲
監督以上に目の色を変えていた
A「それと…」
御幸「ｯーーー！！」
Aは俺が想像できないもっと先の景色を見据えていた
A「何…？汗」
御幸「べつにー？」
沢村とのこともそうだけど
Aが部屋を出る時
ぶっきら棒になったのはカッコ良すぎる発言と覚悟に少し嫉妬したから
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
