俺にじゃねーんだなー沢村サイドー ページ29
決勝戦二日前
御幸「甲子園の決勝？お前もうそんな先のこと考えてんのか！？
甲子園の前に明後日の決勝とらなきゃそこで終わりだぜ」
沢村「違っ
あんたの方こそ…！！」
くそっ
だっせぇ…
キャプテンに当たってどーすんだよ
「どうしたの？」
沢村「…！？」
A「そんなしかめっ面して」
その笑顔にほんの少し気持ちが軽くなった気がした
ーーーーー
御幸「めちゃくちゃあるぜ
プロへの願望」
降谷「…？！」
御幸「野球で飯食えるようになって
これまで好きに野球をやらせてくれた親父に恩返しをしたいんだ」
俺にじゃねーんだな…
ーーーーー
A「ｸｽ…」
沢村「ちょ！？何笑ってんすか！」
A「ごめん、ごめん 笑」
Aさんに話したら笑われた
沢村「Aさんは知ってたんすか？
…キャップのこと」
A「知らないよ」
沢村「え！？」
A「まぁ立場的なこともあって口にしないようにしてたんだろうね」
驚くこともなく平然としていた
沢村「気にならないんすか？……好きな人の進路のこと」
A「はぁ！？…///」
その顔にほんの少し…トクン！って胸が鳴った気がした
ただ単にこの人もこんな顔するんだなって…
A「そんなこと考える暇なかったわ 笑
だって、私病み上がりだよ？」
冗談まじりで言った時にはもう普段の顔に戻っていた
沢村「そんかもんすか…」
A「沢村くんは本当に好きなんだねー
…御幸のこと」
沢村「はぁ！？別に俺は…///」
A「ハハハ…！」
完全に俺の反応を楽しんでる
A「小さい頃からお父さんと2人だったからね
あいつ自身苦労することもあったと思う
だけど、それ以上に汗水垂らして働いてるお父さんの背中を見てきたからね」
幼なじみだもんな
考えてることもわかるのか…
A「沢村くん、市大戦のピッチング本っ当に…シビれた！ありがとう」
沢村「え…」
俺に向ける眼差しは輝いていた
A「勇気を貰った！…
私ね、またマウンドに立てるようになったんだ」
少し戸惑った顔で話してくれた
沢村「…！！！」
御幸「俺にじゃねぇんだな…ﾎﾞｿ」
キャップが遠くで聞いていたのも知らずに
沢村「おめでとうございますっ！！！」
俺はこの朗報に喜んでいた
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
