次のステージへー沢村サイドー ページ28
主審「デッドボールー！！」
打者「らぁ！」
俺を見る強い眼差し
同点のランナー…
ーーー去年夏決勝戦
白河「ｯーーー！！！」
ドクン…！
あの日のことを思い出してしまう
ーーー
御幸「タイムを…」
春市「栄純君ワンアウト」
倉持「攻めた結果だ！切り替えろ！！」
「ほっしゃん！」
「星田先輩！！」
逆転を信じる相手ベンチの声
観客も何か期待する声が鳴り響く
御幸「仕上がってんなー」
天久「…！」
向こうではエースが肩を作ってる
御幸「一発だけは避けたい
高め中途半端にならないように
外すべき時はしっかり外せ」
沢村「ｺｸ…！」
御幸「ボールに力はある 迷うなよ」
ﾄﾝ…
御幸「みんないる
今までのピッチングができれば大丈夫だ」
拳を俺の胸に当て鼓舞してくれた
御幸「さあ 怪物退治といこうか
……頼むぜ相棒」
沢村「ｯー！！」
あの日初めてバッテリーを組んだ時の言葉
この人は笑ってる
沢村「ﾆﾔ…」
その言葉とその表情に少し心が軽くなった気がした
ーーーーー青道高校食堂
解説「同点に追いつき試合を振り出しに戻せるか三高
逆転勝利で決勝進出を決めるか青道」
A「いけ…！沢村くん」
ーーーーーーーーー
沢村「ｯ…！」
ﾌﾞﾝ…！
主審「ストラーイク！」
投げられる
俺はきっと
投げられる
御幸「…！」
あのミットさえ
信じれば
沢村「…」
今よりもっと凄い球が
星田「ｷﾞｭ…！」
沢村「ｯーー！！」
今よりもっと
ｶｷｰﾝ！！！
沢村「…！！」
倉持「ｯ…」
春市「ｯ…！！」
塁審「アウトー！」
沢村「ｯーーー！！！」
御幸「ｯ…！」
解説「6-4-3のゲッツー！試合終了！！！」
2-1 わずか一点差！
決勝進出を決めたのは青道高校！！」
俺たちは次のステージへ一歩進んだ
青道ナイン「ﾆｺﾆｺ…」
勝利を喜び合う者と
天久「ｯ…ｯ…」
涙する者
沢村「…！！！」
その姿に身がひき締まる
そうか…
俺たちがこの人たちの夏を終わらせたんだよな
その涙は決して軽いものなんかじゃない
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…！！！
両チームを称える拍手の中
「「ありがとうございましたー！！！」」
準決勝が終わった
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
