友の知らせ ページ24
ﾊﾟｽｯ…！！！
A「ふぅ…」
…大丈夫
「付き合いますよ」
A「…？」
佐々木「復帰後初ピッチングの相手がネットですか」
佐々木が後を追ってきてくれた
A「今休憩だし 笑」
佐々木「お気遣いなく。ミットに向かって投げた方がより実践的ですし、感覚取り戻すにもいいかと思って。」
淡々と話してるけど勝手にピッチングしてること結構根にもっるな…
A「試合見なくていいの？」
佐々木「先輩こそいいですか？沢村くんすごくいいピッチングしてますよ？」
A「うん…それより今は休んでた分を取り戻したい
それに今日勝てば決勝戦観に行けるから」
今、この時一つの目標に向かって必死に戦っている仲間がいる
その存在にどれだけ勇気付けられたか
佐々木「お言葉ですが、ピッチングに付き合うのは練習前の投げすぎを防ぐためでもあるんですからね」
釘刺されたな 笑
A「あとで投げるから今は軽めにしとくわ」
そう言って投げた一球目
ｻﾞｯ…！
地面を蹴り出し大きく一歩を踏みこんだ感覚
あれ…
肩もかなり動きやすい
痛みもない…
A「ｯ…！」
軽く投げてるのに足から指先へ力が伝わる
ﾊﾞｰｰｰﾝｯ！！！
ミットが鳴る音が響き渡った
A 佐々木「ｯーーー！」
久しぶりに投げられた喜びよりも
A 「走ってる…」
佐々木(これが復帰後一球目に投げだボール？)
想像を超えた球威に私たちは戸惑いを隠しきれなかった
ﾊﾞｰｰｰﾝ！
佐々木「ナイスボールです！」
その後も肩の調子を見ながらストレート中心に投げた
佐々木「肩は？」
A「痛くない。投げる時、踏み込む力が前より地面に伝わりやすくなってる。肩も動かしやすい。」
佐々木「怪我してる間、走り込みにトレーニングと下半身と体幹を鍛えたことで以前より肩より足の力で投げらてるんだと思います。」
A「そうだね…」
佐々木「離脱していた間のことが無駄じゃなかった」
投げられた喜びよりも安心の方が大きかった
由宇日「ふたりとも早く戻ってきて！！！」
A 佐々木「…？」
そんなことも束の間
由宇日「8回裏同点、ツーアウトランナー一塁…
御幸が打席に立つんだよ！！！」
A 佐々木「…！！！」
球場で戦う友の知らせが飛び込んできた
それぞれの想いー野球部サイドー→←仲間のためにー御幸 沢村サイドー
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
