準決勝前夜ー御幸サイドー ページ16
A「次は市大か…去年の借りを返したんだね」
ランニング中のAとたまたま会って
少し話していた
市大は去年負けた薬師に勝った
薬師も真田が投げ抜いたが、最終回天久のヒットで始まり、続く代打で轟がエラー
最後にサヨナラ打を打たれ敗退
試合終了後は泣き崩れる轟を真田が声をかけていた
A「ナンバーズの改良してるんでしょ？」
御幸「聞いたのか？笑」
A「練習前に完璧なプレゼンをキャップにします！って意気込んでたよ 笑」
御幸「まぁ、珍しくあいつにしてはちゃんとしたプレゼンだったよ 笑」
A「冷静に考えれるようになって。…すごいね！」
沢村の成長を喜んぶAは俺たちの状況を知っている
ーーーーーーー
数時間前
川上「明日はいつも通りブルペンで準備します。だからみんなに黙っておいてください。」
御幸「分かってるのか…お前。ここで無理して取り返しのつかない故障をしたら……」
右肘の違和感
検査次第では憲の登板はない
ここで無理をしてしまったら…クリス先輩のことを思い出した
御幸「大学、社会人…お前にはこの先だって…「違うよ」
川上「俺はお前たちとは違うんだよ。御幸…」
御幸「…！！」
俺の言葉を遮るように言った憲の目
御幸「は…？お前が今していることはチームだけじゃない。お前の将来……「それ以上喋んな」
Aの怪我が分かった時
あの日のAと同じ目をしていた
川上「野球は高校最後でいい…そのつもりできたからここまで頑張ってこれたんです…」
御幸 片岡「…！！！」
川上「この夏を悔いなく終われるのなら…壊れたって構わない」
A「…」
片山監督に呼ばれて、たまたまこの場に居合わせていた
川上「お願いします！投げさせてください！
…お願いします」
憲の懇願が虚しく響いた
ーーーーーーーー
A「明日早いんでしょ？私もそろそろ帰るわ」
このことを触れないのは俺たちへの配慮だと分かる
御幸「なぁ！A…
そのさ、憲の話を聞いて思ったんだけど、もしかして…「聞いて何になるの？」
御幸「…！！」
ハッとさせられた
俺は一体何を聞こうとして…
A「どんな状況でも試合に出られないやつは仲間を信じて次の出番を待つしかないんだよ」
その言葉はその真っ直ぐな目は
ちゃんと前を向いて戦えと言われているような気がした
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
