1番 ー沢村サイドー ページ2
夏大会に向けてベンチメンバー20人が決まった
秋大や選抜でベンチ入りしていた三村先輩や関先輩
この人だけじゃない川島先輩はナベ先輩も…
ここまでレギュラーになることを諦めず
チームのために支えてきてくれた3年生
最近調子を上げていた高津
そんな人たちも届かないところに俺たちは立たされている
哲「選ばれなかったあいつらの分まで強くなれ」
去年言われたことが今ならわかる
俺たちに出来ることはただひとつなんだ
冷静に受け入れている結城、由井、奥村もわかっているはずだ
必死にやっていれば時間はあっという間で
気づけば夏合宿も終えて７月１日
…俺はこの日を忘れないだろう
片岡「この番号に見合った成績を残したんだ。
堂々と受けとれ。」
沢村「はい！！！」
震える手で受け取った背番号
自分の力だけじゃない
未熟だった俺を引き上げてくれたクリス先輩
俺の力を信じてくれ、リードし続けてくれる御幸先輩
色んな人の支えがあったから俺はここまで来れたんだ
沢村「ようやく俺もスタートラインに立つことができました」
ﾊﾞｻｯ…！！！
A「ｯ！！！」
どん底にいた俺に手を差し伸べてくれたこの人に伝えたくて
受け取った背番号を見せたくて
A「…ここからだよ戦いは。
どんな苦しい場面でも、そんな場面だからこそチームの想いはきみの一球に託される。」
どんな時でも投手としての心構えを教えてくれる松瀬さん
沢村「はい！」
ここがゴールでもない
この先待ち受ける熾烈な戦いの始まりにしかすぎない
A「でも、本当に強くなったね！」
沢村「…！？」
思いがけない笑顔と言葉と
初めて見せてくれた
ほんの一瞬だけ見えた
A「私も負けてられないね！
でも、私も一度は付けてみたかったなぁ…
……エースナンバー」
沢村「ｯーーー！！！」
笑顔に隠された本音と潤ませた涙
A「早く、背中を押してくれたご両親にもクリス先輩にも伝えないとね！」
次の言葉の時にはもう笑顔で涙は消えていた
沢村「ありがとうございます！！！俺、頑張ります！！！
松瀬さんの弔いのためにも！！」
A「私は死んでへん！！！！！( *｀ロ´)」
沢村「俺、頑張りますから！頑張りますからー！！！」
A「エースになっても周りは見なさいよ？…笑」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
