招かれざる客 ー御幸サイドー ページ19
Aに巡ったチャンスの場面
ここまでのAの成績は正直いって今までの中で一番悪い
どんな結果でもどんに泥臭くても
次に繋げる打撃
この試合の打撃はあいつらしさなくて
どこか空回りしているような...
倉持「あいつ今...」
さっきの打席の少し前
「おー、やってなー!」
同じ年くらいの男女５人組
だけど次に開いた言葉は
「クソ青道!!!」
倉持「...は?」
御幸「...」
応援の言葉ではなくヤジ声
「まーけーろ、まーけーろ!」
それはAの打席になるとよりひどくなる
倉持「あれって...」
川島「...ﾆﾔｯ」
男女の中にソフト部から離脱したメンバー
「君たちやめなさい!」
「ああ?やんのかオヤジ」
見るに見かねた父兄さんが注意しても喧嘩を売ってくる
まずい...そう思った時
ｶｷｰﾝ!
ﾊﾞﾝｯ!!!
「!!!?」
観客のフェンスに向かって来たファール打球
打席にはただ静かにこちらを見るA
誰にも邪魔をさせない
Aの目はそう言っているようだった
その打球で静まり返る観客
「ストラーイク!」
結果は空振り三振
天を仰ぐA
絶望感漂うベンチ
ここぞの場面だったんだろう
だけど...
倉持「あいつ今...」
御幸「ああ。インコース打ちやがった...笑」
今まで避けてきたインコース
久し振りに見た本気のスイング
結果、ファールだとしても、Aが見せた本能
「さ、いこｯーーーー!」
なにか吹っ切れた様子で守備にはいるA
「セカン、ファースト!」
ベンチの声とともに軽快なフィールディングをみせる
「なんだよあいつ...あー!腹立つ!!!」
「どうする?」
あの打球にも懲りずうだうだ言うヤジ
「どうするこうするも...よｯ!」
倉持「ヤバイ!」
「!!!!」
野次馬のひとりがグラウンドに向けて投げた全力投球
狙った先は...
御幸「A!!!!!!」
ただ力任せに投げたボール
フィールディング集中していて気づいていない
やばい...
なんで野球ボール持ってるかなんて知らねー
だけど、あんなの当たったらひとたまりもないｯーーーーー!
ﾊﾞｰﾝｯ!
「!!!!!」
緊張と静寂が入り交じる空気
伊佐敷「まじかよ...あいつ」
A「...」
投げる方向なんて見ずに...
顔の至近距離をボールを受けた
そして、Aは静かにこちらを睨み返していた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゅんしゅん | 作成日時：2020年6月28日 10時
