検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:5,819 hit

. ページ19

彼と同じように眉毛を下げれば、そのまま後ろに体を押し倒された。
私の服のボタンを一つ外して、首におでこを寄せるショッピ君。
年上なのに、こういう行動は可愛くてずるい。


「……確かに、Aいつもより熱いんちゃう?」
『それは、ショッピ君が、そんなことするからでしょ……!?』
「俺が、どんな事したから? 言うてみ?」


 首筋からリップ音がして、そのまま彼の頭が下がっていく。
鎖骨へのキスは長く、しつこく、私の体温はどんどん上がっていく気がした。


『……や、ショッピ、くん、』
「体動かしてへんから凝り固まってるんちゃう? このまま運動するのもええかもな」


 ずい、と私に暗い影が落ちる。
至近距離にあるショッピ君の顔、密着するお互いの体。
誘惑するように私を見つめ、瞬きすら許さないという視線。
もう何のせいかわからないほど上昇した体温はきっとショッピ君の体も熱くしているだろう。

 ねえ、お願い。
自分から重ねようとした唇は寸前で空を切る。


「ま、でも腹減ったからまずは夕飯やな」
『……』
「ほら起き、先にキッチン行っとるからなー」


 ぱっとショッピ君の体が離れ、行き場の失った熱が私の頭をぐるぐるさせる。
期待させるだけさせておいて、なんて男だ!
恥ずかしくて抗議出来ないから、顔だけで不満をアピールしてみる。


「なん、その顔」
『……べつにー?』
「そんな焦らんでも時間はあるやん、な?」


 寝室の出口でこちらを見る顔は先程の誘惑するような顔ではなく、いつも通り淡白な笑顔。


「明日もリモートワークやから、寝坊出来るし。夜はこれからやで?」


 ニヤリと口の端を上げた彼。
全く、どれだけ私の体温を上げれば気が済むんだ。




End.

路地裏/zm→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:戦争屋   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すこ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home  
作成日時:2022年3月9日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。