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彼と同じように眉毛を下げれば、そのまま後ろに体を押し倒された。
私の服のボタンを一つ外して、首におでこを寄せるショッピ君。
年上なのに、こういう行動は可愛くてずるい。
「……確かに、Aいつもより熱いんちゃう?」
『それは、ショッピ君が、そんなことするからでしょ……!?』
「俺が、どんな事したから? 言うてみ?」
首筋からリップ音がして、そのまま彼の頭が下がっていく。
鎖骨へのキスは長く、しつこく、私の体温はどんどん上がっていく気がした。
『……や、ショッピ、くん、』
「体動かしてへんから凝り固まってるんちゃう? このまま運動するのもええかもな」
ずい、と私に暗い影が落ちる。
至近距離にあるショッピ君の顔、密着するお互いの体。
誘惑するように私を見つめ、瞬きすら許さないという視線。
もう何のせいかわからないほど上昇した体温はきっとショッピ君の体も熱くしているだろう。
ねえ、お願い。
自分から重ねようとした唇は寸前で空を切る。
「ま、でも腹減ったからまずは夕飯やな」
『……』
「ほら起き、先にキッチン行っとるからなー」
ぱっとショッピ君の体が離れ、行き場の失った熱が私の頭をぐるぐるさせる。
期待させるだけさせておいて、なんて男だ!
恥ずかしくて抗議出来ないから、顔だけで不満をアピールしてみる。
「なん、その顔」
『……べつにー?』
「そんな焦らんでも時間はあるやん、な?」
寝室の出口でこちらを見る顔は先程の誘惑するような顔ではなく、いつも通り淡白な笑顔。
「明日もリモートワークやから、寝坊出来るし。夜はこれからやで?」
ニヤリと口の端を上げた彼。
全く、どれだけ私の体温を上げれば気が済むんだ。
End.
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作者名:すこ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/home
作成日時:2022年3月9日 11時