立ち止まれない ページ36
ｶﾞﾗ…
教室入るといつもと違う重苦しい空気
決勝戦に負けたことは学校中の噂になっていて
話しかけてくる人なんて誰もいなかった
「松瀬、惜しかったな…！」
A「…」
休んで迷惑かけたことを監督に謝りに職員室に行くと
他の先生のありがた迷惑な励ましに心をえぐられ
片山「もう戻っていい。」
A「はい…すみませんでした」
決勝戦の後…何をして
どうやって帰ってきたかも覚えてない
何もする気になれなかった
気づいたら朝で
「ばか！こんなフラフラな状態でどうやっていくの！」
それでも学校に行こうとしたら、まこちゃんに本気で怒られて昨日は学校を休んだ
ーーーーー
「ここテストに出るぞぉー」
今が何時間目で何の授業なのか分からない
何をしても
忘れようとしても
ﾊﾞｺｰｰｰｰｯﾝ！！！
同点を許してた一球
「バックホーム！！！」
自分の判断遅れで逆転許した守備
「わーーーーー！！！！」
マウンドに集まり歓喜する相手チームをただ立ち尽くしてみることしかできなかったあの風景…
ずっと頭から離れない
ーーーーー
「ここ誰か分かるやついるかー？倉持、お前答えてみろ」
倉持「すみません、分かりません 笑」
「なんだよ、お前は…笑 じゃあ答えてくれるか？松瀬！」
A「…」
「おーい？まつせー」
ﾄﾝﾄﾝ！
御幸「おい、お前呼ばれてん……ぞ……」
ﾎﾟﾀ…ﾎﾟﾀ…
御幸「！！！」
後ろから肩を叩かれて我に戻って
A「す…すみません…えーと…どこでしたっけ？」
やばい…泣いてるの…？私…
一度流れた涙は止まることを知らず
A「ﾊﾊｯ…笑 ぁ、あれｯ…？なｯ…んで…あたしｯ…泣いてんのやろ…」
止まれよ…！！！
心配かけまいと拭いても拭いても涙は止まらなくて
気持ちが焦れば焦るほど
「ﾋｸｯ…ｯ…ｯ…！」
息が苦しくなって
なんとなくだけど…ざわざわしてる？
この後どうしたのかは覚えてなくて…
ーーーーー
A「さｯ、こーいｯ！！！！！」
気づいたらグランドに立っていた
立ち止まれない
何よりも…
ﾄｽ……ｼｭｯ！
ﾊﾞﾝ！
「ナイスショート！」
ここに立ってる時だけ
唯一あの光景を忘れられることができるから
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：しゅんしゅん | 作成日時：2020年6月18日 19時
