崖っぷちホテル！ (ページ10)

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episode 1-09 ページ10

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-その翌日-(dayafter

その後、Aとハルはどんどん試作をつくり、佐那は宇海を呼んで厨房に向かった。

宇海「なんですか…これは…」

宇海は目の前にあるたくさんのケーキを見て顔を引き攣らせる。

ハル「Aさんと色々調整してるうちに、こんな量になりましたぁ…！
全部で30種類！」

佐那「多分この中に正解があると思うんですけど…。」

ハル「だから、宇海さんに判断してもらおうと！」

宇海「えっ？これ全部食べるんですかっ！？」

ハル「はぁい！お願いしまぁっす！」

『お願いします…！』

Aは頭を下げるのと同時にフォークを渡すハルの横で、同じく頭を下げた。

フォークを渡された宇海はケーキを次々に口に運んでいく。

殆どの味見がし終わったあと、宇海はいきなり険しい顔をして声を上げた。

宇海「んんっ！」

ハル・A「『これですか…！！』」

宇海「んんん…」

宇海は突然椅子から落ちて倒れてしまった。

『う、宇海さんっ…大丈夫ですかっ！？』

ハル「副支配人！どうですかあ！どれが幻のケーキですかっ…！！」

宇海「い、胃薬を…」

ハル「えぇ〜！？わからないんですかあ！」

Aと佐那が宇海が倒れたことに驚いている中、ハルは期待を裏切られたようにテンションを下げた。

すると、厨房の扉がガチャリと音を立てて開いた。

その瞬間、パチッとAと江口の目が合ったが、お互いに直ぐに逸らしてしまった。

ハル「あっ！江口さん！
今ケーキの試作をしててもうどれが正解だかわかんなくてぇ…！」

江口はそんなハルを見てため息をついたあと、作業台の上のケーキを見て言った。

江口「ポルドガルのお祝いとかで使うやつなんだろ？
だったらこの卵黄クリームでコーティングされてるやつに決まってんじゃねぇか」

ハル「はぁぁ！鋭いっ！てか江口さんなんだかんだ協力してくれるんじゃないですかぁ！

ツンデレ系にクラステージですかあ！」

そんなハルを置いて、また江口は厨房から出て行ってしまった。

ハル「あら〜？またツン。
見えてきましたね、佐那さん、Aさん！幻のケーキ！」

ハルがそういうと佐那は嬉しそうに頷いた。

宇海「胃ぐす…バケツを…！！」

『バッ…バケツ…！！』

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