崖っぷちホテル！ (ページ49)

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episode 3-06 ページ49

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-翌日-(next day

昨日面接を受けに来た小山内は、今日から仮採用として働くことになり、そして今日は送別会。

ハル「ちょっとお！
もう丹沢さん、最後の日になっちゃいましたよ。
ずーっと競艇新聞ばっか読んでて結局何もしなかったじゃないですかあ！」

ハルはAと食材を切りながら江口に背を向けたまま言った。

江口「それは違う。
俺は今日のために全ての準備をしてきたんだ。」

ハル・A「『…ん？』」

ハルとAは同時に顔を振り向かせた。

江口「俺にはこいつがついている。」

江口はそう言って幸運の食材とやらが入っている箱を見つめた。

江口「このホテルの大ピンチに突然現れた幸運の食材！
この一週間…こいつに幸運を浴び続けた俺は今もう！まさに！運気MAXの状態だっ！！！！」

すると江口は競艇新聞を見ながら1人でペラペラと喋り始めた。そんな姿を見たハルとAは顔を見合わせる。

ハル「ちょっと何言ってるか分からないですけど。」

江口「いいか！？あいつらを引き留めるのに、最後にネックになるのはなんだ？」

江口がハルとAの目の前に行きそうきくが、2人の口からは何も出ない。

江口「遅いっ！金だ！金！！
俺はなこのレースの勝利資金を全て！このホテルに寄付しようと思っている！」

ハル「そんな1回のレースで寄付なんてお金になるんですか！？」

すると江口はそんなハルの質問に待ってましたとでも言うようにパンっと手を叩き、幸運の食材が乗っている作業台をバンっと叩き口を開いた。

江口「100万円賭けちゃった！」

ハル・A「『ええっ！？』」

『ひゃっ…100万！？』

江口「いいか！？宇海がやってきて、だんだん変わり始めて！

丹沢も、大田原さんも、尚美さんも、いやもうみんなだよ！みんな！！
今やめちまうのはもったいねぇだろ、ねぇ！？」

江口の言うことに必死に頷くハル。

すると、ガタガタと幸運の食材が入った箱が動き始めた。

江口「…返事をしたぁっ！！…こいつは絶対くるぞ！！」

ハルとAにそう言い放ったあと、レースを聞くためにイヤホンを耳につけた。

ハル「Aさぁん…」

ハルは心配そうな表情でAの顔を見た。

『この人こうなったら手がつけれないから…。』

Aは江口と付き合っていた時の記憶と照らし合わせながらはぁっとため息をついた。

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